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どさくさに紛れて「スーパーシティ法案」可決。

新型コロナ禍のどさくさに紛れて衆院で可決したばかりの通称「スーパーシティ法案」。

安倍政権が、今国会での成立を急ぐスーパーシティ法案(国家戦略特区法改正案)は、

人工知能(AI)やビッグデータなど最先端の技術を活用し、

「まるごと未来都市」をつくると、安倍政権はひたすら唱えるが、

問題点の多い、危険な法案との指摘もある。

 

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スーパーシティを実現するための国家戦略特区法改正案は、

2019年6月7日に閣議決定されたものの、6月26日に閉会した通常国会では廃案となった。

廃案になったのは、規制緩和の手法を巡り内閣法制局との調整に時間がかかったためだ。

内閣法制局は、地方自治体が制定する条例で法律が規定する規制を緩和できる仕組みが、

憲法違反ではないかと指摘。

その後、法制局との調整が済んだが、時間的な問題で一度廃案になったという経緯がある。

「スーパーシティ法案」は市民の同意なく知らないあいだに、

個人情報が事業者に提供される恐れがあり、個人情報の取り扱いや、

どうやって住民の合意を得るかなどの問題があるとして野党から反対の声があがっている。

「スーパーシティ」構想の実現に向けた有識者懇談会の座長を務めるなど、

旗振り役となってきたのが、竹中平蔵氏そのものだ。

 

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なぜスーパーシティが必要なのか。

内閣府が公表している資料では、

 「AIやビックデータを活用し、社会のあり方を根本から変えるような、

都市設計の動きが、国際的には急速に進展」

日本でも、技術的にはスーパーシティは作れるが、

さまざまな規制で実現する場がないので、特区を設けて実践する環境を整える。

トヨタが社員を対象にやろうとしている。

住民の暮らしはどう変わるのか。何が便利になるのか。

内閣府はスーパーシティでの生活のイメージを示している。

めんどうな行政の手続きはオンラインで効率的に処理される。

どこでもキャッシュレスで決済ができるため、現金を持たずに出かけられる。

遠隔診療でかかりつけ医の診察を受け、子どもたちには遠隔教育で最先端の教育が提供される。

街には、自動運転のバスが走り、カーシェアリングの利用を推奨する。

丸ごと管理するということは、

国や自治体、警察、病院、企業などが別々に持っている情報の垣根が壊され、

一元化が進む恐れが強い。

例えば、位置・移動情報や商品の購買歴は元より、納税の状態や病歴、学校の成績、

といった個人情報が全て把握される。

また、そうでなければ「スーパーシティ」の意味がない。

スーパーシティ法案が参議院の地方創生・消費者問題特別委員会で可決。

その後本会議で採決、短時間で議論も深まらないままの委員会可決。

与野党の付帯決議も併せて可決されたが、15項目の多岐にわたる。

付帯決議の多さは議論不十分であることの証だ。

この「スーパーシティ」法の成立によって有識者会議の座長である竹中氏が事業主体側となる。

となると、「利益誘導がおこなわれる可能性は十分考えられる」とみるのは穿った見方か。

今までも平気でそういう事をやってきた。

 

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竹中氏は、「スーパーシティなど破壊的イノベーションに対して、

日本では既得権益を持っている勢力がどうしても反対する。

自己否定しなければならないからだ。

新しいデータを活用するためには住民の合意が必要になる。

地方自治体の)首長さんのリーダーシップが極めて重要であるし、

投資する起業家のリーダーシップが必要になる。

さらに開かれた柔軟な仕組みでないと困る」と訴える。

竹中氏お得意の既得権益をぶっ壊せ、そしてワタシによこせ。

そして、ワタシのやりやすいように柔軟でないと困ると訴える。

神奈川県の黒岩知事はモデル都市に手を挙げる1人だが、

「スーパーシティ構想のモデル都市選定基準が明確ではない」とも語る。

パソナトヨタの求人を一手に引き受け、トヨタ名古屋自動車大学校など、

トヨタパソナの関係は深い。

そして安倍総理トヨタパソナオリックスの関係は深い。

 

トヨタ自動車株式会社と共同で、植物と共生する空間が人間にもたらす効果について、

科学的な解明を目指す研究なども行うこととなっている。