いま思い返せば、私が訪問するまでの準備をしてくれた、
外務省アジア大洋州局長(当時)の田中均さんの役割はじつに大きかった。
北朝鮮の「ミスターX」という交渉人を相手に、一年前から秘密の交渉を重ねてくれたのです。
田中さんによれば、ミスターXとの接触する際はお互いに真剣そのものだったようです。
もし変なことをやったら、ミスターXにとっては自分の生命にかかわることになる。
そして、ああいった交渉は事前に漏れたら、その瞬間に潰れるものです。
外務省でも、田中さんが水面下で動いていることはごく一部の人しか知りませんでした。
私の訪朝が終わってから、田中さんは外務省内部で「どうして知らせなかったんだ!」
という批判に晒されたようですが、外交には秘密交渉が必要な場面もあるんです。
北朝鮮に拉致されながら生きて帰ってこられた人は、ある意味、運に恵まれていたと思います。
そのひとり、蓮池薫さんからは帰国した10月15日の前後に、
毎年必ずお手紙をもらいます。
私のことを「命の恩人」と呼んでくれます。
‘@その後、田中氏はイジメられた。
安倍総理がその場しのぎで平気で嘘をつく人間だということを大方の日本国民も周知している。
安倍総理は、「北朝鮮に帰さないという決定を自分が行った」と主張をしているが、
北朝鮮からすれば、本人が言っているのだから、安倍総理が約束を破ったと思っている。
すなわち、「安倍は信じられない」と北朝鮮も思っているということだ。
だから、何も進まないのだ。
だとすれば、安倍総理で拉致問題を解決することは不可能に近い。
私は不可能だと思う。
小泉氏は拉致問題の『金』のことには言及しない。
墓場で持っていくつもりだ。
その度胸が安倍総理には無い。