トランプ政権で安全保障を担当していたジョン・ボルトン前大統領補佐官の「暴露本」
が世界中で話題になっている。
『The Room Where It Happened』
ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は23日出版の回顧録で、
昨年7月に訪日した際、トランプ大統領が防衛費の分担金として、
年間約80億ドル(約8500億円)の負担を日本政府に伝えたと証言。
トランプ氏から、全ての在日米軍を撤収させると脅して交渉を優位に進めるよう、
指示を受けたとしている。
80億ドルは日本が現在負担している在日米軍の駐留経費負担(思いやり予算)の4倍以上。
日本政府はこれまで米側の負担増要求の報道について「そのような事実はない」(菅官房長官)
と、完全否定していたが、米側の当事者が明らかにした格好だ。
暴露本では、2018年6月に行われたトランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長による、
史上初の米朝首脳会談の「橋渡し役」をしていた文在寅大統領について、
文大統領の北朝鮮非核化に向けた構想を「統合失調症患者のような考え」と表現し、
痛烈に批判している。
米朝交渉自体が「韓国の創造物」とした上で、ナンセンスだとし、
「北朝鮮やアメリカに関する真剣な戦略よりも、南北統一に重きが置かれていた」と指摘。
ボルトン前補佐官の本は、トランプ大統領批判が目的なのだろうが、
日本や韓国も大きな火の粉を被ることとなった。
真実であれば、明らかにされるのは良いことだが、外交交渉を一方的に公開するのは、
外交の基本原則違反で、関係国にとってはデメリットでしかない。
こういう話は、本来墓場まで持っていくのが原則で、
ボルトン氏自身も信用できない人間とみなされる。
また、こういう人間を選んだトランプ大統領も自業自得となるが、
選挙前にとんだパンチを食らうこととなってしまったようだ。