中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会が「香港国家安全維持法」を可決。
香港の治安維持は中国当局が主導権を握ることとなった。
1997年7月の香港返還から23年。
英国との国際公約で、2047年まで50年間、維持するとした「一国二制度」を事実上破棄。
英・米が早々と中国を非難をしているが、中国の国際的な信用が大幅に低下。
そこまでしても、なぜ、頑なに強硬な態度をとるのか。
専門家によれば、香港の混乱が長期化すれば、習氏は愛国主義的な国内世論から、
「弱腰批判」を受けかねない。新型コロナウイルスの後遺症で国内経済が低迷し、
中国本土に共産党批判が飛び火する恐れもあるため、
一国二制度の香港にも強権手法を拡大して異論を封じるなどと説明。
しかし、そもそも、習政権は昨年に「逃亡犯条例」改正案を提出。
それををきっかけに香港で反中デモが活発化。
香港市民の間で中国当局への警戒感が強まったのだ。
習近平指導部は12年11月の発足以降、
発政敵を標的とした反腐敗闘争や、人権派弁護士らの一斉摘といった、
統制強化によって強権化を進めてきた。
習氏はあえてデモを引き起こすような態度に出たのだ。
これで、富裕層や金融関係などは逃げ出し、香港経済は委縮する。
オーストラリアやインドに続き、欧米でも中国製品のボイコット運動が起きる可能性がある。
少なくとも輸出は減少するだろう。
香港が中国に返還された1997年に当時、人口12億の中国に対し、
香港はその1%にも満たない650万人たらず。
しかし、中国と香港のGDPの比率は100対18だった。
それが今は、中国の発展と共に100対3くらいになってしまった。
この辺りにも強硬に推し進める要因があるのだろう。
香港の自由が、デモが中国に流入してもらっては怖る。
叩くなら今だ。
いまだ新型コロナで疲弊している米国、そして世界中が新型コロナの対応に追われている。
中国は今が勝負だと思ったのではないか。