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誘導冤罪も、滋賀県警「捜査に問題なし」

湖東記念病院の看護助手だった西山美香さん(40)は、入院患者を殺害したとして、

12年間服役したが、やり直しの裁判が開かれた。

結果、「不当な捜査で自白が誘発された疑いが強い」などとして、無罪が確定した。

このことについて、滋賀県警トップの滝澤依子本部長は、

3日の議会で、当時の捜査に問題がなかったとする認識を示した。

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‘@冤罪を故意に生みながら、それがバレても捜査に問題はなかった。

こんな認識だから冤罪は無くならないというか、冤罪は作られていることが改めて確認された。

怖ろしい話だ。

この件に関わった警察官こそ罰せられるべきだ。

 

彦根市の元看護助手・西山美香さん(38)。

身に覚えのない殺人罪で12年服役し、昨年8月に和歌山刑務所を満期出所。

逮捕勾留から数えると13年以上も自由を奪われた。

2003年5月22日、滋賀県の湖東記念病院に入院していた植物状態の患者(当時72歳)が死亡。

滋賀県警は、人工呼吸器のチューブがはずれたことを報じるアラーム音に,

当直の看護師らが気づかず、窒息死したとみて過失致死事件として捜査。

2人の看護師とともに任意聴取された西山さんは、事件から1年以上経過した翌年7月6日、

「職場での待遇への不満から、呼吸器のチューブをはずした」と自白して逮捕された。

当時24歳、密室で自白した相手は県警本部から新たに派遣された若い男性刑事だった。

目撃者はなく「証拠」は自白のみ。

男性刑事は、「殺人罪でも執行猶予で刑務所に入らないでいいこともある」と話したり、

混乱した西山さんが拘置所で規律違反をすると、「私が処分を取り消してあげる」

などと持ちかけたという。

しかし、その後の捜査で、ほかに誰ひとりとしてアラーム音を聞いた人は出てこなかった。

男性刑事に「鳴っていた」と言わされた西山さんの供述は不自然で、

最終的に西山さんがアラーム音を消す操作方法を発見して犯行に及んだとするシナリオに、

軌道修正された疑いがある。

過ちに気づいた西山さんは裁判で無実を主張したが、

津地裁は懲役12年の実刑判決を言い渡し、最高裁で刑が確定した。

獄中から冤罪を訴え続け、2度目の再審請求でようやく、大阪高裁の後藤眞理子裁判長が,

「警察官などから誘導があり、迎合して供述した可能性がある」と裁判のやり直しを認めた。

西山さんには発達障害があり、情緒不安定なときがある。

あれこれ責められるとパニックになり自暴自棄になる一面もあった。

取り調べという精神的にきつい環境で、ときおり優しい顔を見せる男性刑事に魅かれた。

暴力的、強圧的態度から一転、優しく接するのは取り調べ担当刑事の常套手段。

しかし、そんなことは知らず、その刑事を「優しい男性」と思い込んで好意を抱いてしまったという。

大阪高検は再審開始決定を認めず最高裁に特別抗告。

2019年3月18日、検察官の特 別抗告を棄却、再審開始が確定した。

 

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令和2年3月31日、大津地方裁判所は、西山美香さんに対して無罪判決を言い渡す。

この判決は、同年4月2日、検察官が上訴権を放棄したことにより確定した。

「裁判長があんなこと言ってくれると思わなかった。嬉しかった」

3月31日正午過ぎ、支援者が待つ大津地裁の門前で語る頬に涙が伝った。

午前10時半、潔白を示す白い服を着た西山さんに大西直樹裁判長は、

「主文、被告人は無罪。もう一度言います。西山さんは無罪」と、無罪を強調し言い渡した。

判決文で「自然死の可能性が高い」「事件性すら証明されていない」

「恋心を利用した刑事の誘導」などと捜査側を厳しく断罪した。

大西裁判長は「嘘をついた(虚偽自白)ことを後悔し気に病んでいるかもしれませんが、

問われるべきは捜査手続きの在り方です。嘘偽りのない西山さんを多くの人が支えてくれた。

もう嘘をつく必要はありません。等身大の自分と向き合い自分を大切にしてください。

今日がその第一歩です」(要旨)と優しく言葉をかけた。

西山さんが子どもの頃からつまらぬ嘘をついて友達の歓心を買おうとしていたことにまで言及。

裁判長の目は真っ赤だった。

車椅子で入廷し傍聴席の最前列で泣き腫らした目の母、令子さん(69歳)は、

「裁判長、ありがとうございました」を繰り返した。