今回の、大阪の吉村知事のポビドンヨード入りうがい薬の発表について、
感染や重症化を防ぐ効果は確認されておらず、専門家からは疑問の声も上がっている。
吉村知事は5日「誤解なきよう申し上げると、
うがい薬でコロナ予防効果が認められるものではありません。
重症化を防ぐ効果の検証はこれからです」と、どこかで聞いたのと同じように、
報道や国民などの誤解を指摘。
その上で「判明したのは、唾液中のコロナウイルスを減少させ、
唾液PCRの陰性化を加速させること。唾液PCR検査は毎朝うがい前。
感染拡大防止への挑戦」とツイート。
吉村知事は4日「うそみたいな本当の話をさせていただきたい。ポビドンヨードを使ったうがい薬、
目の前に複数種類ありますが、このうがい薬を使って、うがいをすることで、
コロナの陽性者が減っていく。薬事法上、効能を言うわけにはいきませんが、
コロナに効くのではないかという研究が出たので紹介し、府民への呼びかけをさせていただきたい。」と説明していた。
結果が出た、研究結果が出たと松井市長や吉村知事が力説するが、論文も何もない。
ことし6月から7月にかけて宿泊施設で療養していた、
軽症や無症状の患者、40人余りを対象に、殺菌効果のあるポビドンヨードが含まれたうがい薬で、
1日に4回、うがいをしてもらったところ、そのほかの患者よりも唾液の中のウイルスが減少した。
うがいをした患者(25人)は4日目に唾液のPCR検査の陽性率が9%ほどになったのに対し、
うがいをしなかった(16人)患者は陽性率が40%だったという。
データーとして、40人は少なすぎる。
松山晃文 「大阪府立病院機構大阪はびきの医療センター」の次世代創薬創生センター長は、
「唾液のウイルスを減らすことで、家庭での身近な人どうしの感染などを、
減らす効果があるのではないかと期待している。
数十例や数百例でははっきりとは言えないので、大規模な研究で確かめたい」と話した。
一方で、松山センター長は「うがいをしたあと、1時間程度でウイルスの量が再び増えるケースもある。
うがい薬を使って、何回もうがいをすると喉を痛める可能性もあるので、注意が必要だ」と、
注意喚起を促していた。
吉村知事が前面に出るのではなく、松山センター長が説明し他方が正確で誤解を生まない。
ちなみに、家庭用洗剤でも試験管の中ではウイルスは殺せる。
予防ではなく感染した人が使用すると説明。
普通の人は水のうがいだけでもいいとも述べた。
もしかしたら、ポビドンヨードを使用しなくても、
水道水のうがいだけでも、それなりの効果は期待できるのかもしれない。
松山センター長は、予防ではないので、むやみな使用は控えるよう強調した。
これからの研究、検証が待たれる。
蛇足だが、松山センター長はとても人柄の良い人だ。