テレビなどマスコミは東京東京と報道するが、この話は東京都だけではなく、
10都府県で国と違いがある。
国と東京都だけの問題ではないのだ。
他の自治体にも取材して正確に報道すべきだ。
東京都の重症者数は32人と発表されているが、国の定義にあてはめると、
さらに10人前後増えることが明らかになった。
国は、重症者と判断する基準について、
ICU等での治療、人工呼吸器、人工肺(ECMO)の3つのいずれかに該当した場合だとしている。
しかし、東京都など複数の自治体では、ECMOなどを使っていないICUの患者については、
重症者として集計していなかった。
都は、重症者数を32人と発表しているが、国の基準だと10人前後増える。
今後は、国の基準と都などの基準、2つの異なる重症者数を発表すると説明。
都は、これまでの算出方法の方が、より重症者数を正確に把握できるとしている。
‘@これも、東京都だけではなく、他の自治体でも東京都と同じ基準で発表しているところがある。
東京都は医療に沿った区分けをしていたのだ。
当初、新型コロナの「軽症者」と「重症者」の違いを聞いて驚いた記憶があると思うが、
一般人が想像する「軽症者」と明らかな乖離がある。
一般人がイメージする「軽症」と、医学の世界で「重症」と区別するときに用いる「軽症」は、
意味合いが異なる。
早い話が医学の世界での「軽症」とは「重症」ではない人ということで、
「症状が軽い」という意味ではない。
医療現場では「現時点で命に別状はない」という意味で「軽症」という表現が使われる。
たとえ苦しくても、辛くても、命に別条がなければ「軽症」となるのだ。
ただ、新型コロナの場合は、感染を広めるリスクがあるので、公衆衛生の観点から、
隔離するために軽症でも入院することになる。
だから、ICUに入るのも医師の判断で軽症だがICUで治療をしようということになる。
先日も述べたが、人工呼吸器もECMOも感染症を治療は出来ない。
肺が弱っているので装置して、その間に出来る手を打ち、自己免疫で戦ってもらうしかないのだ。
テレビ報道を見ていると、人工呼吸器やECMOが神の機器のように報じているが、大きな勘違いだ。
もちろん、数字は統一された方が良い。
その方が分かり易いし、統一されなくてはいけない。
全国知事会はどういう見解だったのか。
ここにも、政府のあいまいな対応がある。
ゴートゥーや帰省もそうだが、各自治体にゆだねられている。
国の重症者と判断する基準もそうだ。
だから自治体が、国と違った基準を示していたのだ。
国は地方に寄り添っていない。
西村大臣は「沖縄は減少傾向にある」としたが、
県職員は「予断を許さない状態だ」と緊張気味に答えた。
私は医学的には東京都の方が適していると思うが、
もしかしたら、国は今のところ「重症者数が少ないので大丈夫だ」と言い続けている。
少ない方が良いので、注意せずに見逃していた可能性もある。
いずれにしろ大阪の重症者数が多いことに変わりはない。