日本感染症学会 尾身会長「流行はピークに達したとみられる」
東京で開かれている日本感染症学会で、
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は、
現在の流行について「今後の推移に注意が必要だが、
全国的にはだいたいピークに達したとみられる」
との見解を示した。
そして、「これまでの経験から流行を乗り切るには、
医療機関や保健所への支援や接待をともなう飲食店、
そうした地域などへの支援が重要なことがみえてきた。
国に対して早急にこうした支援ができる体制の確立を求めたい」とも述べた。
また、分科会のメンバーの押谷仁教授は、
「最新の発症日別のデータからは全国的に7月下旬から8月はじめごろにかけて、
山(ピーク)があったようにみえるが、
死亡者数が徐々に増えていることもあり、慎重に見極めが必要だ。
第1波に比べて、現在の流行ではある程度リスクを制御することはできているが、
これをゼロにしようとすると社会・経済活動を著しく制限せざるをえない。
今後、どこまでリスクを許容するか、社会的な合意を得るため真剣に考えていく必要がある」
と述べた。
‘@こういう発表が国民を惑わす。
尾身会長は「ピークに達したとみられる」と述べるが、
押谷教授は「ピーク(山)があったように見えるが、慎重に見極めが必要だ」と述べる。
読み解くと二人の見解は違う。
会長が「みえる」と述べたのに対して、メンバーが「ようにみえるが、見極めが必要だ」
と、否定している。
そして、尾身会長も達したとは言っていなくて、「みられる」を付けるのを忘れていない。
官僚などが使用する逃げ場を作る言葉だ。
また、2人は「ピーク」と「山」、同じ意味をあえて違う言葉で表現する。
よく考えている。(笑)
さらに押谷教授は「第1波に比べて」とさらっと述べているが、
政府は現在の波を第2波とは認めていない。
第1波と比べてということは、今は第2派だと押谷教授は認めている。
なぜ政府が波にこだわるのか。
波が何波もくれば、「なんで波が弱まっと時に抑え込められなかったのか」
と責められるのを避けるためだ。
尾身会長は政府派だから、動いてなんとか経済を活発化させようと策する。
そして、医療機関や保健所、飲食店、そうした地域などへの支援が重要なことがみえてきた。
と、「決して忘れていませんよ」と訴える。
しかし、今頃見えてきたとはあまりにも遅すぎる。
もう、何か月も前から必要だと訴えている。
本当だとしたら、尾身会長の能力を疑う。
押谷教授も「どこまでリスクを許容するか、社会的な合意を得るため真剣に考えていく必要がある」
と述べているが、押谷教授が真剣に考えていく必要があると感じたということは、
政府は今もって真剣になっていないということだ。
だから、安倍政権は、新型コロナ対策にいつまでたっても中途半端なのだ。
これは、言葉尻ではない。
彼らはとても頭のいい人たちで、余計な言葉、誤解されるような言葉は発さない。
尾身会長と押谷教授の短い記事で多くのことが読み取れる。