大規模買収事件で河井案里被告(47)の第18回公判が13日、東京地裁で開かれた。
自民党の海徳裕志広島市議(60)=安佐南区=が検察側の証人として出廷。
案里被告の夫で元法務大臣の克行被告(57)に、
「これ総理から」などと言われ、計50万円を受け取ったと証言。
克行被告との会話を録音した音声を再生した。
海徳市議は、安佐南区にある自身の事務所で、克行被告から昨年3月下旬に30万円、
同6月1日に20万円を渡されたと認め、6月1日の場面を録音したと説明した。
法廷で流された音声では、克行被告は「大変ですよ。
県連が何もやってくれないから、助けてくださいよ」
「河井克行は嫌いかもしれないけど、案里はかわいがって」
「やっぱり安佐南で票が出んことにはね」などと支援を要請。
帰り際に「これ気持ちですから」と、20万円が入った封筒を差し出したと証言。
克行被告が帰った後の海徳市議と妻との会話も録音されていて、
封筒の中身を確認した海徳市議の妻が「20」と話し、
海徳市議は「絶対1億か2億きとるで、安倍さんから」と語ったやりとりも法廷で再生された。
海徳市議は、現金の受領後、案里被告の応援をしていたことも明らかにした。
海徳市議は、違法と認識したとする一方で、
「首相補佐官も歴任したベテラン議員の克行被告に断る勇気がなかった」と釈明。
50万円は個人的な支払いに充てたという。
なぜ録音したのか聞かれると、過去に克行議員からどう喝されたことがあったため、
2回目のやりとりをICレコーダーで録音したと説明。
検察官からICレコーダーを提出した理由を問われた海徳市議は、
「私は現金をもらったことを後悔し、反省している。克行被告には全てを明らかにしてもらいたい」
と反省の弁を述べた。