脱毛症や4か月たっても嗅覚の異常も。
国立国際医療研究センターは、新型コロナウイルスで入院し、ことし2月から6月までに退院した人に、
その後、追跡調査を行い、聞き取りをして後遺症の有無を調べた。
結果、退院後に髪の毛が抜ける脱毛症になった人や、4か月たっても息切れや匂いが感じられない、
嗅覚の異常などをうったえる人がいた。
聞き取りができたのは63人で、平均年齢は48.1歳、複数の人に共通の症状があり、
発症からおよそ4か月たった段階で、息切れがあったのは7人で、率にしておよそ11％、
けん怠感と嗅覚の異常がそれぞれ6人でおよそ10％、せきが4人でおよそ6％、
味覚障害が1人でおよそ2％だった。
さらに、この中で追加で調査できた58人のうち、ほぼ4分の1にあたる、
男性9人、女性5人のあわせて14人は、発症から2か月ほどのちに脱毛症になったという。
このうち5人は、おおむね2か月半で治ったが、残りの9人は、
調査の時点で脱毛症になってからの期間が短かったこともあり、治っていなかったという。
脱毛症は、エボラ出血熱やデング熱から回復したあとでも報告されている。
研究を行った森岡慎一郎医師は、
「治療が長引いたことによる心理的なストレスが引き金になった可能性もある。
今後も調査を続け、後遺症が出るリスクの要因を明らかにしていきたい」と語った。
