宇宙物理学者・池内了氏は「国を代表するアカデミーに、
10億円ぽっちしか出さない状態は、
科学技術創造立国として恥ずかしいこと」と述べた。
日本学術会議の会員候補6人を任命しない理由を、政府が明かさないのは、
大変巧妙なやり方です。
「胸に手を当て考えてみなさい。理由は、ちまたで言われているとおり」。
当事者たちに、そんな暗黙のメッセージを送っているのです。
理由を明かせば、思想や学問の自由への露骨な弾圧となり、
憲法問題として批判が巻き起こるのは必至です。
だから手続き論に終始し、「違法ではない」と繰り返すのでしょう。
政権は政治的に気にくわないことを言う人をシャットアウトすることを見せたわけです。
そして具体的な理由を明らかにしない。
6人が政府に盾突いたからだと人々に思わせて、口を重たくさせる。
学術会議のみならず、組織内でそういう人を推薦しなくなる、敬遠する恐れがあります。
ほかの省庁や地方公共団体でも、政権が任命拒否をしているから、
当然やっていいものだと思って、下部組織が決めた人事をトップが気に入らないからといって、
拒否する可能性があります。
例えば、大学の学長選で選ばれた学長を文部科学相が認めないなど。
‘@政府のお墨付きだから、どんどん広がっていく、それが恐ろしいのだ。
「コロナの下で多くの国民は充分過ぎるほどの自助努力をやってますよ。
政治の仕事は公助。暮らしを守り、良くする為の公の責任を果たす事に尽きる」
「政治家」の本分。