神奈川県で新型コロナ感染の対策の中心を担っているのが、
阿南 英明、神奈川県健康医療局医療危機対策本部室 医療危機対策統括官(藤沢市民病院 副院長)
阿南統括官は、2月3日に横浜港に寄港したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に、
神奈川県DMAT調整本部長として出動。
それで納得した。
そもそも、ダイヤモンドプリンセスでの対応事態うまくいかなかった。
そして、ダイヤモンドプリンセス号の教訓は生かされなかったようだ。
プリンセス号の教訓を、神奈川県の対策にどのように落とし込んだのですか。
阿南:3月下旬から本県独自の医療体制である「神奈川モデル」の構築に取り掛かりましたが、
そこに「ダイヤモンド・プリンセス」の教訓を反映させました。
阿南先生が3月から現在(8/28)まで県のCOVID-19対策の陣頭指揮を執ってきて、
医療崩壊のような危機を感じたタイミングはありましたか。
それはありません。医療崩壊とは、医療がCOVID-19に対応できなくなった時ではなく、
COVID-19以外の医療ニーズに対応できなくなった時のことを言うのだと思います。
4日、神奈川県は、酒類を提供している飲食店やカラオケ店に対し、12月7日から17日までの間の、
営業時間の短縮を要請。
「かながわ県民割」(地元かながわ再発見推進事業)の新規販売は11月30日から休止。
数値基準を示した6指標でみると、感染経路不明率など3指標がステージ3の基準に達している。
しかし、菅総理と仲の良い黒岩知事は、政府の意向を踏まえ、ステージ3「警戒宣言」を発出し、
ステージ3を見送った。
阿南統括官は「医療現場の悲鳴」を抑えきれず、神奈川モデル失策の危機感を募らせ、
知事にステージ引き上げを訴えたが、
黒岩知事は記者団の取材に「医療現場は本当に逼迫しており、危機的な状況だ」
と、実感しているにも拘わらず、「ステージ3警戒宣言にとどめざるを得なかったのは、
私自身、『内心忸怩たる思い』だった」と吐露した。
出せばいいだけで、意味が分からないが、官邸の強い意向が働いて、
黒岩知事もそれに従ったのだ。
この経過を見ても分かる通り、菅総理の「Go Toトラベル」に対する執念は、
並々ならぬものがある。
少しでも、ステージを低く見せて、動きを止めないようにする。
感染が拡大しようが、重症者が増えようが、死者が増えようが、知ったことではない。
だから、国会も閉じます。
とにかく、「Go Toトラベル」だ。
小池都知事は中止にしたかったが、官邸の強い圧力に顔を立てて自粛に留めた。
だから、ハッキリと、「私は中止と言った」と述べた。
最終決定権は国にある。赤羽国土交通大臣も明言している。
国が自粛と言えば、自治体は中止できない。
そこを理解しないで、自治体の首長を責めるのはお門違いだ。
政府の、その圧力たるものは半端ない。
全ては菅政権の意向なのだ。
政府は、とにかく、東京は止めたくない。
「Go Toトラベル」は、何が何でも止めたくない。
感染が拡大しようが、重症者が増えようが、死者が増えようが、知ったことではない。