埼玉県本庄市児玉町の大恩寺は、技能実習などで来日したベトナム人の駆け込み寺となっている。
コロナ禍で仕事や住居を失った実習生らに食料や帰国の支援、職業相談などを実施。
大使館と連携して不法残留者の減少と、共生社会の実現に向けた取り組みを進めている。
住職のティック・タム・チーさん(42)によると、14日現在、実習生ら43人が共同生活を送っている。
「大恩寺は大使館と連携しているため、ここに来れば早く帰れると思う人たちが全国から集まってくる」
8~9月は帰国のチャーター便待ちで200人以上集まっていたという。
チー住職によると、在日ベトナム人のコミュニティー利用者約42万人のうち、
約10分の1は失踪者だという。
「職も住所も保険も失った者たちは感情のコントロールができなくなって犯罪に走る。
そうならないようできる限り支援を続け、不法残留者や失踪者を減らしていきたい」と語る。
3年間勤務した愛知県のプラスチック製造工場を退職し、
同寺に身を寄せた実習生のタインさん(23)は、
「職場で与えられた仕事は、日本人がやらない、危険できつい肉体労働ばかりだった。
外国人は人間じゃないと思われていた」と訴える。
日本でもっと働く予定だったが、父親が亡くなり帰国を決意したタインさん。
「雇ってくれた会社に感謝の気持ちはある。中には優しい日本人もいた。
今後はベトナムで日本語の通訳や教師を目指したい」と語る。
出入国在留管理庁によると、国内のベトナム人の不法残留者数は今年7月時点で、
前年より2186人多い1万5511人。
このうち、元技能実習生の不法残留は前年より1583人多い8770人だった。
実習生の不法残留者は年々増える一方、過酷な労働を強いられて逃げ出すケースもあり、
チー住職は「日本は高齢化や若者の人材不足で、ますます外国人労働者が必要になってくる。
平和な共生社会をつくるため、実習生を日本人と同じように扱ってほしい」と訴える
。
‘@日本人として、恥ずかしい限りだ。
日本政府も本腰を入れていないのか、なくならない。
不法残留によって犯罪が増えると、日本にとっては二重三重のマイナスとなる。