新型コロナの感染者の立ち寄り先として、同意していないのに店名を公表され、
店の信用を傷つけられたとして、徳島県藍住町のラーメン店が近く県を相手取り、
慰謝料数百万円を求めて徳島地裁に提訴する。
店でクラスターは発生しておらず、店側は「公表の正当性はなかった」と主張。
県などによると、昨年7月26日、大阪府から同県に帰省した20歳代の男性が同店に立ち寄り、29日に感染が確認された。
飯泉嘉門県知事は、31日の定例記者会見で「店の同意が得られた」として店名を公表。
店側は、県の保健所から感染者が利用していた事実を告げられた際、
店名の公表は控えるよう保健所に繰り返し伝えていたと主張。
「公表すれば、差別や誹謗ひぼう中傷を招き、客足が激減することは明白」とし、
実際に8月の売り上げが大幅に減ったという。
また、店で他に感染者が確認されていない点を挙げ、
「公表による利益より不利益の方が明らかに大きい」としている。
県は昨年7月時点で感染者が不特定多数と接した可能性がある施設名については、
同意を条件に公表するとしていた。
県は「当時の対応は適切だった」としている。