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​三重県、自民党青年局長の小林貴虎県議会議員が、同性愛者の本名・住所公開。

それを見た同性愛者から、公開質問状が送られ、その後小林氏がHP上で質問状を公開し、

同性愛者の本名・住所も公開した。

三重県の男性カップルが、県議にブログ、削除を求めても拒否され続けている。

しかも県は1日、都道府県として初めて、性的少数者であることを、

本人の同意なく暴露する「アウティング」を禁止する条例を施行し、注目されている。

「悪意を持った人に拡散されるかもしれず、とにかく怖いです。それに悔しい」

そう語るのは三
重県伊賀市に住む加納克典さん(41)と嶋田全宏さん(45)は、ともに大阪府から移住した後、

農業を営む様子をホームページで紹介しながら、性的少数者の理解促進や権利拡大を目指して、

各地の学校などで講演会を重ねてきた。

「悪意を持った人に拡散されるかもしれず、とにかく怖いです。それに悔しい」と語る。

小林県議の言い分は、(抜粋)

私は理論の正統性だけを武器に相手を切りつけ断罪するために言葉を使ってきた時期があります。

その頃の反省から今は正義を振りかざし相手を断罪する事よりも、お互いに認め合う事が大事だと考えています。

私の議員としての仕事の多くの部分もまた、議論の末、相手を理解し、

お互いに譲り合って結論を出す事に費やされています。

「この質問状の冒頭には「本質問状及びご回答は報道機関、ウェブサイトやSNS等へ、広く公表させて頂きます。

ご回答頂けない場合もその旨を公表します。」と書かれているとおり、

議論による相互理解ではなくはじめから公にさらすことを目的にした質問状だと理解しています。

このように一方的に質問を突き付け回答を「要求」する姿勢は非常に攻撃的で敵意を感じますし、

議論の末の相互理解を求める歩み寄りの余地を感じ取ることが出来ません。



他者に理解と寛容を求めながら、自身の見解と異なる意見を認めない一方的な寛容は、

ヘルベルト・マルクーゼに象徴される60年代の新左翼の思想に通じるように感じます。

同氏の論文「抑圧的寛容」では社会を抑圧する側と抑圧される側に分断し対立構造をつくりだし、

かつ抑圧す者であるマジョリティの言論の自由を奪う事で、

マイノリティがマジョリティの作り出した社会と秩序を破壊することが正義だと説く、

体制化された暴力を打破するための暴力は容認されると考える非常に危険な革命思想である事が分かります。


先日私宛に「公開質問状」なるものが送りつけられてきました。

送付した本人は事前に自身のSNSにもアップし、同じ物をメディアにも送ったと書いてあります。

J.Sミルの言う「反対意見の持ち主に邪悪で不道徳な人物という汚名を着せること」という

「討論当事者の行う行動で最悪な行為」は、現在もSNS上で散見されます。

また、平成28年に成立した部落差別解消推進法の審議の際、

参考人として招致された石川元也弁護士は1969年に起こった矢田中事件の判決を引用し

次のような発言をしています。

「特定の思想なり運動方針に固執する者が、差別文書の定義を採用するときは、

容易に反対の意見を封ずる手段として利用され、同和教育の推進あるいは同和問題の解決に対する

自由な批判、討論が不活発となり、この問題に対する開かれた自由な雰囲気がなくなって、

ついにはそのような考えを持つ者の存在をも許さないことになる」

「差別行為のうち、侮辱する意図が明らかな場合は別としても、

本来的には何が差別かというのは一義的かつ明確に判断することは難しいものである、

民間運動団体が特定の主観的立場から恣意的にその判断を行うことは、

異なった意見を封ずる手段として利用され、結果として異なった理論や思想を持った人々の存在を

許さない独善的な閉鎖的な状況を招来しかねないことは判例の指摘するところである」

以上のことから、このような質問状に回答する必要性はないと思うが、

自由な議論を行う事が出来る健全な社会の保全を目的に私の見解を明らかにし、

公表することにします。

日本の社会に於いて国民は政治活動の自由が保障されています。

同性婚を推進する政治活動の自由も当然保障されているわけで、その主張も否定するつもりはありません。

一つの見解です。他方我々性的少数者ではない者だけでなく

性的少数者の中にも同性婚を求めていない人達がいることも同様に現実だと認識しています。

特に三重県の条例のことやパートナーシップ制度のことに関して

私を頼ってきてくれた公に声を上げられない方の声も、

実際三重に住む方々の尊重すべき多様な意見の一つです。




当事者の置かれた状況、課題、意見は実に様々だと認識しています。

個々の課題に答えるためには、個別具体的に対応していく柔軟さこそ求められると考えています。

そんな様々な方々の気持ちも反映され本当の意味で「性的自認・性的指向」による差別のない、

多様性を認めあう三重県であるべきだと思います。

カムアウトが出来る社会ではなく、カムアウトをする必要のない、

互いに自然に受 け入れられる成熟した社会の確立が望まれるという言葉で締めくくり回答を終わります。

‘@最初は、小林県議はなんてことをするんだと思ったが、この文を読むとなるほどと感ずるところもある。

相手が、公にするといっているのだから、公にしても問題はないのかもしれない。

ただし住所などを公開する必要はない

そして、小林県議の言うように両方の意見があるということもまた事実。

対立するのではなく、お互い理解しあえるよう議論を深めるべきだ。

今まで差別していたものを、いきなり認めろと言われても、認められない人たちがいるのも事実。

私は友人もいるから、昔から何の偏見もないが、もし、自分の子供がそうなったら、

最初聞いたときに、そこまで寛容になれるかどうかは自信がない。

認めるしかないし、否定もできないが、まだ心の底に偏見があるということかもしれない。