『報道1930』(BS-TBS)に日本城タクシーの坂本篤紀社長が出演。
橋下氏の詐術を「アホみたいな議論」と一刀両断。
吉村知事に対しても「何もしてないもん」と指摘。
坂本社長は大阪を拠点にしてタクシーや貸し切りバス、旅行業を手掛け、
このコロナ禍に大型バス3台を売却して雇用を守ったことがメディアでも取り上げられた。
過去には、自社のバスの路線変更で、バス通学ができなくなった小学生の女の子のために、
プライベートで3年間送迎をおこなったことがマスコミで紹介されたり、
反ヘイトスピーチのステッカーを自社のタクシーに貼る活動でも注目を集めた。
番組の前半では、橋下氏と立憲民主党の小川淳也・衆院議員、松本哲哉教授が参加するかたちで、
ワクチン接種が進まない日本の現状について議論。
そこで橋下氏は、国産ワクチンが生産できないことを理由のひとつに挙げ、
唐突にこんなことを言い出した。
「学術会議で軍事研究の禁止なんてやってる国がですね、ワクチンっていうのは化学兵器テロ、
化学兵器に対する対応策としていろいろ開発されてきた経緯もあるわけですから、
そういうことで軍事研究の禁止なんてことを学術会議でやってる国がですね、
そりゃワクチンを早急に開発するなんてことはできないよ」
と、国産ワクチンができないのは日本学術会議のせいだとした。
国産ワクチンの開発が進まないのは、国がこれまでワクチン研究を軽視してきたからに他ならない。
実際、RNAワクチンは国内でも治験直前まで進んでいたが、
2018年に国に予算を打ち切られ頓挫していた。(東京新聞4月5日付)。
そもそもワクチンは、吉村知事がちょうど約1年前に「大阪産ワクチン」をぶち上げ、
昨年9月の実用化を謳っていた。一体それはどうなったんだという話をなぜ橋下氏はしない。
司会の松原耕二キャスターから「政治に求めることは?」と尋ねられた坂本社長は、
「たとえば政府諮問機関におる、アトキンソンさんかな。
『中小企業、半分になったらええねん』みたいなこと、いまだに言うてると。
ってことは、国は僕らを助けてくれへんのやというのはうっすらわかるよね。
これって、政治に求めるんて、やっぱり信憑性やと思うんですよ」と述べ、こうつづけた。
「たとえば『おばあちゃん、足痛いけど膝の手術こんな時期やから先延ばしにしてね』
て言うてる知事の胸に『2025年万博』て書いてあると。
これって、信憑性ないよね。やっぱり、ちょっと先のことよりいま我慢してって言う人が、
先の万博の2025って(胸に)書いてあるのに、おばあちゃんの痛いのちょっと辛抱せえっていうのは、
我々も同じ目に遭うてるわけで」
「少なくとも、身体が痛いおばあさんに手術を待ってもらう知事が、
先の万博を胸にぶら下げてるっていうのは、僕、やっぱり納得がいかへんし、
それって説得力があるやろか」
「いま、橋下さんの話で、コロナのことについて『学術会議が悪い』とか、
そんな問題じゃないような気もするねん。やっぱり信憑性のある、きちんとした意見がほしいよね」
と、真っ当な受け答えをした。
坂本社長は以前に、吉村知事が緊急j隊宣言を前倒しで解除要請した判断について、
「全国で最初にやりたかっただけちゃうかな。今回のまん延防止等重点措置もそうちゃう。
全国で最初にやりたいだけで、根拠が何にもない。
最初の頃は国が数字を示さないから大阪モデルなんだと言っていたが、
いつの間にか言わなくなった」と、切って捨てた。