自民党の下村博文政調会長は、憲法記念日の3日に改憲派の集会に出席し、
党改憲案の一つである緊急事態条項創設の実現を訴える中で、
感染症拡大を緊急事態の対象に加えるべきだとし、
「今回のコロナを、ピンチをチャンスとして捉えるべきだ」と語った。
下村政調会長は、今の憲法は占領下で制定されたため、緊急事態に関する規定が、
衆院解散時の参院の緊急集会しかないとし、
「独立後も70年改正されず時代の変化に対応できていない」と主張。
「いま国難だが、ピンチをチャンスに変えるように政治が動かねばならない」とし、
昨年に立ち上げた党内の議員連盟で「感染症を緊急事態に入れるべきだと提案した」と述べた。
新型コロナ対策にかこつけ改憲論をぶち上げた下村政調会長。
国や国民が、新型コロナやそのワクチンで困窮している時に、怒りしか覚えない。💩
新型コロナ対策で、施設や店舗などの営業時間制限要請などが行われているが、
このような対策について、
「今の憲法では、私権の制限ができないので、思い切った対策がとれない。」
「私権を制限できるように憲法を改正する必要がある。」
という類いの主張をする政治家や評論家が見られる。
このような主張は一見もっともらしく聞こえるが、店舗は休業しているところもあり、
要請に応じない店舗には罰則もある。
実はかなりウソと誤魔化しがある。
国民が弱っている間に、「そのための憲法ですよ」と言えば、賛同する国民が増える。
事実、会見に賛成する国民の%が増えている。
だから、自民党の改憲の声が日増しに大きくなってきているのだ。
この頃、政界やメディアなどで「私権の制限」という言葉がよく使われるようになった。
私権とは明確な定義はないが、公務員など公の職業従事者以外の全ての者における権利。
公権と対比されるが、それに制限をかけるということは、公の職業従事者以外全ての者を縛る。
自由とか権利が制限されることになる。
「改憲しないと、自由や権利を制限できない」と主張する人がいるが、とんだお笑いだ。
だとすれば、現状、自由・権利はすべて無制限の状態になっていることとなる。
そんなバカなことになっていないのは、だれでも理解できる。
車を運転するにも、店を出すにも、家を建てるにも、多くのものは許可制で、免許などがいる。
世の中は様々な「自由や権利(私権)の制限」で成り立っている。
今の憲法では、コロナ感染防止のための権利・自由の制限ができないから「改憲しろ」
と、乱暴に述べるのが、いかにバカげた主張であるかわが分かる。
憲法が権利・自由を保障し、規制などは法律が定める。
憲法は、まず原則としての権利・自由の保障を定めている。
そして、やむを得ない制限(規制)を定めるのは、憲法よりも下位にあたる法律の役割だ。
そして、その規制が行き過ぎであれば、法律は憲法違反と判断されることもある。
「憲法を改正して制限できるようにしろ」というのは、
国民主権をないがしろにする、本末転倒の発想だ。
医療などでも、緊急事態宣言で出せる命令はあるが、まだ発令していない。
足りないのであれば法律に追加すれば済むことで、憲法を改正する必要などない。
「今の憲法ではコロナ対策のため大ナタを触れないから、改憲しなければ」と、
訴えている論者は、国難に紛れて、これ幸い(チャンス)と、仕掛けてくる。
十分注意しなければならない。
そして、そんな人間に限って憲法も守らない。
人権や自由も、社会が存在する以上、絶対無制約のものではない。
時として制限される。