5月13日、仏紙「リベラシオン」の一面を飾った新国立競技場。
その中央に大きく躍る見出しは「TOKYO KO, LES JO?(東京オリンピックはノックアウトか?)」。
「いままで日本国民のためにしてこなかったことを、選手団のためにはするのか」
選手団への1日3万回のPCRをなぜ住市民に提供しないのか。
在東京特派員は、日本で広がる反対運動の背景として、政府への不信感や医療の逼迫、
優先される選手団と一般市民との格差を指摘する。
「政府は、PCR検査数を増やすこともなく、ワクチンの提供を急ぐこともなく、
医療体制を強化することもなく、必要な資金援助をすることもなく、
1年以上もウイルスの蔓延を放置している」と厳しく断じた。
全国で多くの新型コロナウイルス患者が、病院のベッドを待って自宅にいる。
持病を抱えた人たちの治療が延期されている。
「医療は限界 五輪やめて! もうカンベン オリンピックむり!」
窓に貼られたメッセージを通して現場の思いを訴えた東京・立川市の病院を紹介。
看護師は訴える。
「看護師たちをオリンピックに派遣するよう求められていますが、
私たちが患者を見捨ててアスリートの面倒を見に行くと思いますか?現実的ではありません」
オリンピック期間中、3万人の選手団とその関係者へのPCR検査が毎日予定されている。
リベラシオン紙は「東京で1日3万回の検査が可能なのであれば、なぜ住人には提供しないのか」
と疑問を呈す。
政府や五輪組織委員会、IOCが「東京五輪の安全性」を語り、国民に安心を訴えることに対し、
彼らが感染症対策を並べれば並べるほど、『政府が日本国民のために行ってこなかったこと』と、
『東京に来る代表団を受け入れること』との隔たりが大きくなる。
バッハ会長はいま、IOCのトップとして日本人を説得しなくてはならない。
それとも彼は、反対の声を聞こえないことにするのだろうか、と締めくくった。
‘@世界から見れば当たり前のことが、なぜ日本では行われないのか。
それは首長が違うから。
五輪選手は今まで懸命に練習をしてきたのだから開催すべきとの考えは、
日本政府の何が何でも開催する考えと同じ。
日本の感染状況、阪神などの惨状や医療従事者の疲弊を無視した自己中論だ。
選手たちのほとんどは、そんなことは思っていない。
今のままでは難しいと感じている。
国民に歓迎されないスポーツをだれがやりたいものか。
しかし、感染がある程度収まれば、やりたいと思うのは国民も同じ。
国民もオリンピックを見たい、応援したいのだ。
国民も五輪選手も心は一つ。
余計なことを言わない、言わせないで、見守るべきだし見守るしかない。