政府が東京・大阪に設置する、新型コロナワクチンの大規模接種センターの予約。
予約の方法はネットかLINEに限られる。
入り口で遮断され、接種を受けたくても予約にたどりつけない高齢者がいる。
「電話でも手間がかかるのに、インターネットは難しくて無理。
わたしは受けられないようだ」
東京都の無職の男性(78)は、国の大規模接種センターでの接種を考えたが、
電話での予約ができないと知って、あきらめた。
マンションで独り暮らし。スマホもパソコンもない。予約の代行を頼める相手もいない。
外出するのはスーパーなどへ週2回ほどだが、感染の恐怖は付きまとう。
何かあったらすぐに助けを呼べるよう、枕元には固定電話を置いている。
電話で予約をしたいと市の窓口に問い合わせると、
案内ハガキが届き次第、予約するよう言われたという。
区が設ける会場の接種は電話で予約ができるが、
自分の接種がいつになるかわからない。
他の人は先に接種できているのに自分はまだ接種できないことを考えると、不安が募る。
「独りだから、感染したらどうなるかわからない。早く安心させてほしい」
と、不安と切実な思いを口にする。
この国は高齢者には厳しく冷たいようだ。