「後援会バス旅行」を収支報告書に記載せず。
河野大臣の後援会では、毎年1度、「バス旅行」を開催している。
この旅行は、河野大臣やその妻、事務所が総出で関わる。
ほとんどの回で、『世話役』として河野事務所の秘書さんが、朝から晩までバスに乗り、各地を同行。
国会や霞が関に寄り、太郎さんが出てきて、挨拶をするんです。
また、代理として、奥さんが参加することもしばしばで、バスには乗りませんが、
目的地に向かう途中のサービスエリア(SA)などに先回りしている。
で、バスが停まると「ありがとうございます。今日一日、楽しんでください」などと挨拶して回るんですと、
参加経験のある、地元市議は説明する。
「日帰りで行き先は年によって変わる。劇団四季の観劇など、都内の観光地を回るパターンや、
東京以外なら、伊豆、房総方面に行ったり、年によって異なりますけど、参加者は200人くらい。
バス5台ほどに乗車して行きます。もちろん会費制で、行き先やコースによって、
1万円前後の実費を支払いますよ」
しかし、政治資金収支報告書への記載がまったくないという。
政治資金規正法では、団体にまつわる、すべての収支を収支報告書に記載するよう義務付けている。
さらに、このバス旅行の主催者であるはずの「河野太郎後援会」に至っては、
これだけ大規模な「政治活動」を毎年行っているにも拘わらず、政治団体の届出すらしていない。
従って報告書の提出もない。
100万単位の金銭の出入りがあるバス旅行の収支が、約10年間にわたり、まったくの「闇」に隠している。
「今回の事例は非常に問題があると思います」
と述べるのは、政治資金に詳しい、日大大学院の岩井奉信講師。
「この場合、河野太郎という政治家個人に関わるイベントの収支ですから、
河野大臣の関係する政治団体のどこかに記載されていないとおかしい。
後援会が政治団体を持たず、一方で議員も事務所も関与しているのですから、
河野大臣の関係団体に記載するのが当然。政治資金規正法上の不記載に問われる可能性もあります」
また、やはり政治資金に詳しい神戸学院大学法学部の上脇博之教授も言う。
「後援会が政治団体になっていない時点で極めて問題です。
大臣や夫人、事務所が明確にバス旅行に関与しているのであれば、
これは本来、大臣に関係する政治団体が記すべきでしょう」
政治資金規正法は、あらゆる政治活動のカネの流れを透明化するのが趣旨。
河野大臣関係の不透明な政治資金の扱いは、やはりバス絡みで、もう一件、不可解な資金処理がある。
河野大臣は、毎年秋に都内のホテルで「河野太郎と21世紀の日本を語る会」なる、
政治資金パーティーを開催している。
このパーティーに際し、希望者のみ、事務所がバスを手配し、送り迎えをしている。
参加者によれば、秘書さんが2千円ほどを集めます。
東京から選挙区への電車代と同じにしていると言っていました。
実際、このバス代金について、先に述べた大臣関係の政治団体のうち、
「河野太郎事務所」の政治資金収支報告書の「支出」の欄には毎年記載がある。
どの年もおおよそ35万円前後。
しかし、それに対応する「収入」の欄を見ると、これに当たる記載が抜け落ちている。
これももちろん不記載。
上脇教授は、「全体の収支が合いませんよね。入るべき35万円が記載されていないのであれば、
その額は実際何に使われたのか。金の行方はブラックボックス。言わば『裏金』となっているのです」
と、断じる。
‘@政治資金規正法で、岩井先生が出てきて「非常に問題がある」と訴えても、
毎回、大したお咎めもなく済んでしまう。
まさに、あって無いような「ザル法」だ・
それをいいことに、好き勝手をする政治家を断じて許してはいけない。