「イベルメクチン」国内で新型コロナに使用されないのは、
立憲民主党が先に提案したからだった。
6月5日、全米で新型コロナの救急救命の最前線に立ってきた医師団体、FLCCCアライアンスと、
その会長のピエール・コリー博士が、日本オリンピック委員会(JOC)宛てに、
五輪の安全な開催への希望として、提言文書を送っていた。
提言では、日本での感染者数の増加を「数日以内に抑え込める可能性がきわめて高い」
という方法を、こう説明している。
「イベルメクチンを中心としたプロトコルにビタミンを加えたものによって、
この病気のすべての段階を予防、治療できることが、何十もの査読ずみの研究成果として明らかになっています。
この非常に安全、効果的、かつ安価で広く入手可能な薬剤は、
ノーベル賞を受賞した優秀な日本人研究者によって、約50年前に世界に与えられたもので、
今回のパンデミックにおいて、何十万人もの新型コロナ患者とその家族に救命効果をもたらしたことは、
世界的に評価されるべきです。イベルメクチンが広く配られると、
プログラム開始後、10日以内に感染者数と死亡者数が劇的に減少します。
これはメキシコ、インド、ペルー、ブラジルなどの国々で実際に起きた成果です。
(中略)世界の目が東京に向けられているいま、
日本のリーダーたるあなた方にとっては、パンデミックから抜け出し、
当初意図されたように開催することで五輪の栄光を世界に示すチャンスです」
「イベルメクチン」開発者の、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士は、
「米国の救急救命医有志の集まりで、新型コロナの流行が始まった昨年3月ごろから、
どの薬が有効か使命感をもって調べ、統計をとってきたFLCCCが、JOCに手紙を送ったとは聞いています」と述べ、
「FLCCCは昨年夏ごろから、イベルメクチンとビタミンを使用した治療が有効だとして、
世界中の国々に推奨しています。たとえばメキシコやペルー、パナマやポルトガルは、
FLCCCの提言を受けてイベルメクチンを使用し、感染を鎮静化させました。
インドでもイベルメクチンを配布したいくつかの州で、感染者数や死亡者数が急激に減りました。
こうした実績をもとに、安心、安全な五輪のためにと推奨したのではないでしょうか」と推測した。
FLCCCの提言以前から、イベルメクチン使用に向けた動きは、国会でも活発化していた。
立憲民主党の松原仁衆院議員が証言。
「厚労省が新型コロナ『診療の手引き』で、適応外使用を認める、イベルメクチンなど、
10種の薬剤の緊急使用に関する法案を、6月8日に議員立法で提出しました。
私が加わったのは、コロナの診療経験が少ない大島など島嶼(とうしょ)部の有権者から、
服用が簡単で常温保存できるイベルメクチンを望む、多くの声が寄せられたから。
16日に閉会した通常国会の会期中には成立させられませんでしたが、
時間がかかっても可決させる意義は大きいと思います」
この法案を主導したのは、立憲民主党の中島克仁議員で、
医師としてイベルメクチンを処方した経験もある。
「40年前から世界各国で年間3億人に服用され、副作用がほとんどなく安全性が確立されている。
感染初期に自宅待機する人も安心して飲めます。投与してみて、経過がよくなったこと以上に、
自宅で医師に相談できず薬は解熱剤程度というなかで、患者さんの不安を取り除く効果も感じました」
しかし、FLCCCの提言について、中島議員が6月11日、
衆院厚労委員会でオリパラ事務局に対し、「どのように対応しているのか」と質問したが、
事務局は文書が届いたことも把握しておらず、放置していたという。
議員立法については、
「これが求めるのは、薬の承認ではなく緊急使用許可。
厚労省はコロナの『診療の手引き』で、事実上使っていいと言っています。
つまり1年以上前から、レセプト(診療報酬の明細書)を詳記すれば保険適用の対象ですが、
国の健康被害副作用救済制度の対象になっていません。
また、一般の医師がガイドラインに沿って使いたくても、販売規制がかかっていて、
使えないのが現実です。厚労大臣が使用を事実上許可した以上、
法的根拠をもって緊急使用を許可し、命を救うための選択肢を広げてほしい、
国の救済制度の対象とし、供給確保に努めてほしい、というのが法案の内容です」と訴える。
やはり医師でもある、立憲民主党の吉田統彦(つねひこ)衆院議員によれば、
「欧米の多くの国にコンパッショネートユースという制度があります。
生命に関わる疾患等を有する患者救済を目的に、代替療法がない場合など、
限定的な状況下で未承認薬の使用を認める制度で、
未承認の医薬品が、副作用被害救済制度の対象になるケースがほとんどです。
米国ならFDA(食品医薬品局)などが判断すれば、未承認薬の使用が可能で、
その際、製薬会社でなく医師の意向でも申請できる。日本に同様の制度があれば、
イベルメクチンはメルク社が承認申請をしていなくても、承認された薬剤と同等に使えます」と説明。
だが法案は審議すらされず、中島議員は「憤りを感じる」と訴え、
効果が確認されながら厚労省が動かない原因は「メルク社の圧力ではないか」と疑う。
メルク社とは、イベルメクチンの製造および販売元、米国の大手製薬会社である。
「現在、メルク社は新薬開発に力を入れており、イベルメクチンのように特許が切れている薬は、
効果が認められても投資するメリットがない。薬の承認システムは、平時は製薬会社主導でも、
有事には既存薬に関しては、国の主導で使えるようにすべきです」
メルク社の日本法人MSDの広報の説明では、
「メリットがないから生産を増やさないのでなく、科学的に、有効性と安全性のエビデンスが不足し、
確実なデータは存在しないと考えているのです」と回答。
だが、同社が開発中の経口薬「モルヌピラビル」を、米政府が「12億ドルで購入」と報じられたばかり。
‘@FLCCCの発表では、感染後1週間以内の軽症時に服用すれば76%、
中等症以降の後期治療でも、46%の有効性が確認され、70%で死亡率も改善している。
さらに85%の予防効果も確認され、実際、インドやペルーでは予防のために服用した州と。
そうでない州で、感染者数に大きな違いが見られるという。
「国民の命と健康を守る」といった言葉をお題目で終わらせないためにも、
厚労省は、コロナへの使用と保険適用を認めるなら、流通量の確保に努め、
感染を抑えて五輪を成功させるためにも、一刻も早く、緊急使用を認めるべきだ。
お題目を唱えているだけでは何も解決しない。
菅総理は、何をためらい、躊躇しているのか、さっぱり理解できない。