政治・経済、疑問に思うこと!

より良い日本へ願いを込めて。

海外記者東京五輪への不安。

(TVレポーター、グレース・リーさんのtwitter


国内対応だけかと思っていたが、やはり政府は無能だった。

海外の関係者には、もう少しましな対応をしているものだとばかり思っていたが、

とんだ誤解だったようだ。‘@



第1スレッド(ロジスティック業務の不備や混乱)

わたしは報道記者で、オリンピックで自分の組織のコロナ連絡窓口を務めています。

これまでのところ、東京五輪2020は運営があまりに危なっかしく、ストレスで毛が抜けそうです。

その背景として、東京五輪2020組織委員会はすべてのメディア、代表団、その他の関係団体に対し、

「コロナ連絡窓口係」を任命するよう指示してきたということがあります。

それぞれの団体関係者を無事日本に入国させ、在日中、コロナに関する取り決めに従わせるのが仕事です。

私たちは「活動プラン」も提出させられました。

団体関係者が来日後の14日間をどのように過ごすか概要するものです.

(その14日間が過ぎれば、オリンピック・バブルの外に出られます。行きたい所どこへでもです)

プレイブックなり最近のオリンピック関係のパンフレットなり見てもらえればわかりますが、

質問があればすべてこの連絡窓口に送るよう指示しているのです。

――私たちに訊けばなんでもわかると言わんばかりに。

ですが、
私たち「連絡窓口係」は2か月前に養成クラスを1回受けただけなんですよ。

しかも、それは基本的に20分程度の予め録音されたパワポのプレゼンを見せられるだけでした。

ありとあらゆる手続きがややこしく、オフィス365となんやらで設計されたウェブサイトを通じて行われてきました。

どうして組織委は情報をいちいちエクセルシートで送れと言い張るんでしょうか?

しかも彼ら考案の凝ったアプリはひとつもまともに動かないので、

結局インフォはぜんぶEメールで送ることになりました。

Eメールといえば、私が出したメールの99%は返事がありません。

私は自分の所属する組織と組織委をつなぐ「連絡窓口」ということになっているのに、

まともに取り合ってもらえないのでは、やりようがありません。



仮にメールの返信があっても、基本的な質問にすら答えられていないのです。

*not give someone the time of dayというのは、挨拶にも事欠く、きちんと接しないという意味です。

かなり失礼な態度だと思います。

たとえば、何週間か前に「私たちの登録番号は”(派遣ジャーナリストなどへの)認定番号”になりますか?

つまり、日本入国のためのビザの役割を果たしますか?」という問い合わせをしました。

これは簡単な質問で、答えはイエスなのですが(その後に知りました)返ってきた回答は「そう思いますけど?」でした。

ほとんどの場合、必要不可欠の情報は自分で見つけてきました。

わけもわからず(手探りで)行動するしかありませんでした。

この二週間ほど、文字通り”暗闇でナイフを振るっている”(やみくもに行動している)ような気分でした。

*stab in the darkは「当て推量をする」「あてずっぽうで」という意味です。

ここにきて、組織委は私たちの健康状態をチェックし、コロナ検査の結果を記録できるアプリを用意したので、

ダウンロードするよう言ってきました。ところが、私の同僚はみんな、アプリが動かないというのです。

わたしはあちこちに何通もEメールを送り、返信を求めました。

このアプリが作動しないと日本に入国できないからです。

しかしながら、これまで返信は一通もありません。

わたしは五輪の取材に本腰を入れることさえできないうちに、へとへとになっています。

こういう窓口仕事は通常、報道記者ではなく、後方支援のロジ業務に当たる人のところへ行くものではないでしょうか。

ですから、舞台裏がどうなっているのか、みなさんに知ってもらおうと思ったのです。



この五輪には、一年余分に準備期間があったわけです。

とくにコロナの状況が合わさって大変だったとは思いますが、日本に住む者としては、

こんなにずさんなことになっていて大丈夫なのかと、ものすごく不安になっています。(終わり)

第2スレッド(オリンピック・バブルについて)

「オリンピック・バブル」についてよく訊かれますが、

外国から来たメディアの人びとが14日間の隔離が済めば、どこへでも出かけられると聞くと、

ショックを受けた顔になります。

一つお聞かせしましょう。そう、これもまた東京五輪2020のロジ業務の生んだ悪夢です:

私の会社は何か月も前に、国外から取材に入るうちのチームのためにホテルを一つ押さえてありました。

ところが、6月初旬になって、わたしはあるEメールをたまたま目にします。

組織委が他のメディア(うちではなく)のオーガナイザーらに送ったもので、

五輪認定のホテルに宿泊してもらうことになったと伝えていました。

そこで私はただちにこの件について問い合わせるメールを出し、

もっと詳細な情報/私の同僚たちが宿泊できるホテルのリストを送るよう求めました。

返信はありません。

先のメール(私たちには送られてこなかったものです)には、

ホテルの宿泊予約ができるポータルサイトが出来ると書かれていました。

そのポータルとはどこにあるのか??

と思っていたところに、NHKのニュースが入り始めました。

隔離措置をとる外国人記者を受け入れてもらうホテルには、たった今通知をしているところとのこと。

ホテル側では、14日間の隔離が終わった人たちが宿泊しにくるのだと思っていたようです。

日本橋のホテル「住庄ほてる」の社長の談話。

角田社長は「隔離を終えた人を受け入れると想定していたので説明の内容は本当にショックだ。

行動管理も本当に厳格化できるのかと不安になる。

十分な対応をしてもらえない場合、受け入れは難しいかもしれない」と話していました。

私たちは念のため三つのホテルに予約を入れ、そのうちの一つは「認定ホテル」であることを願いました。

支払いをした直後、ようやくメールの返信がありましたー

ホテルの予約ポータルはまだ準備ができていませんという返事です。

これが、すでに六月の半ばでした。

結局、ポータルは半端にしか動かず、私たちはまたメールで予約を行いました。

最近オンラインでチェックしたところ、そのホテルは未だに日本在住者の通常予約を受けつけていました。

そこがコロナ隔離に使われる五輪2020の公式施設になる旨のお知らせも出ていません。

ついには、「十四日間」の隔離もなくなりました。



メディア関係者たちの大半は来日したその日から活動を開始する選択肢を与えられています。

自分たちの組織にとってその業務が必要不可欠だと申し出ればいいのです。

申し出をしない人たち(私の同僚らもそうですが)はホテルで三日間隔離措置をとります。

三日の隔離が明ければ、充分な頻度で検査を受けている限り、

「オリンピック・バブル」の中を自由に動きまわれ、地元メディアとほぼ同じ範囲で活動ができるのです。

この検査は競技選手らとの接触度合いにより、毎日、4日に一度、7日に一度と決まっています。

「オリンピック・バブル」の中で十四日間を過ごした後は、

メディア関係者たちはどこへでも出かけられます。

地元レストラン、人気の観光スポットなど、どこへでもです。

東京五輪2020のチャーターするタクシーより、むしろ公共交通機関を使ってほしいと推奨されてすらいます。

つまり、これは「スーパースプレッダー」の祭典ということですか? 正直、わかりません。

日本はこれまでのところ、コロナ関係の数字で見れば抑えられている方ですが、

危険を感じるのは、日本ではなにか手段を講じているわけでもないのに、

どうして米国や欧州より死亡率が低いのか、私が話を聞いた医師/疫学者のだれひとりわかっていないことです。

ともあれ、私のストレスがこのところ爆上がりしているのは、こういう理由なんです。

みんなで立ち向かい、どうぞ無事でいてください。(終わり)