新型コロナ感染症の重症患者に3種類の既存薬を同時投与し、
死亡率が2%と従来の10分の1程度にまで減少したとする研究結果を、
日本赤十字社医療センター(東京都渋谷区)のチームがまとめ、呼吸器専門誌(電子版)に発表。
入院期間も約6日短縮され、逼迫(ひっぱく)しやすい病床状況の改善にも役立つ可能性があるという。
投与したのは、抗ウイルス薬「レムデシビル」、抗炎症薬「デキサメタゾン」、免疫調整薬「バリシチニブ」。
チームは、複数の薬を投与すると治療成績が向上したとする海外の報告に着目。
病院内の倫理委員会での承認と患者の同意を得て、昨年12月から2カ月間、
人工呼吸器などが必要な重症患者44人(平均61歳)に、レムデシビルを最大10日間、
他の2剤を最大14日間、それぞれ投与した。
その結果、投与を始めてから4週間後までに死亡したのはわずか1人(2%)で、
残りの43人は人工呼吸器などが不要となった。
入院期間も平均11日で、従来より約6日短縮できた。
一方で副作用は、肝機能障害や血栓などが15人(34%)に確認されたが、
薬を単独で使った時に生じる頻度と大きな差はなかった。
その後も100人以上の患者に投与したが、治療成績に変化はなかったという。
研究結果は、投与していない重症患者と比較していないため厳密には評価できないとしつつも、
同センター呼吸器内科の出雲雄大部長は「3剤を同時投与すれば、手遅れになるのを回避するとともに、
早期退院を可能にし、病床も確保しやすくなる」と話した。
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各病院で導入すべきだ。