「必要のない分断を加速させる構造作った今の政府に、改めて憤り」
シンガー・ソングライター、折坂悠太氏(31)は21日ツイッターを更新。
国内最大級の野外音楽イベント「フジロックフェスティバル」の出演を辞退した理由を明かした。
折坂氏は「今回、フジロック出演を辞退します。直前の報告となってしまい、
申し訳ありません」とした上で、
「フジロック開催による社会的意義は大きいと思います。感染者が一人も出なかったとしても、
直接的、間接的にもたらす影響が、遠い場所で、死角にいる一人の人生を変えてしまう。
国と一般企業、負う責任は全く違えど、オリンピックで見てきた光景がそれだと思います。
舞台に立つ事はそれ自体がメッセージです。今は、想いと整合が取れません」と、複雑な胸中を吐露した。
その上で、「一方、苗場に向かいたい、ホワイトに立ち、歌いたいと思っている。
心に従わなければ、この命は一体何のためなのかと自問しました。
出る理由と、出ない理由を、同じ量書いて、見比べました。
出る理由の方がずっとわかりやすく、潔いです。
しかし、その“潔さ”が、私の望むものなのだろうか?と疑問に思いました。
私が望むのは、誰もがその人なりの生の実感を持ち、それが守られる社会。
潔くなくとも考え続け、その結果が、思いもよらない形で実を結ぶ社会です」と、
苦しい葛藤の末選択した「フジロック辞退」を表した。
「そんな思い描く景色が、夏の苗場にありました。2007年に客としてはじめて足を踏み入れてから、虜です。
私はフジロックが大好きです。この理想郷には、私のような者がいて良いのではないか。
これは、フジロックへの信頼です。2021年8月22日、15時20分、空(から)のステージでもって、
私の大好きなフジロックを、私は実現したいと思います」と記した。
公演をサポートしてきたスタッフや、今回の辞退に伴って仕事を失うスタッフ、
さらにすでに会場入りしているファンらへ「何を言われても仕方ないと思います。ごめんなさい」と詫びた。
「信頼できるアーティスト、スタッフの方々が、苗場に向かいます。
きっと同じような迷いと、想いを抱えていると想像します。私の知る限り、多くの方が疲弊しています。
なぜこんな苦しい判断をさせられるのか。
一般企業や国民に多くの責任を負わせ、必要のない分断を加速させる構造を作った今の政府に対して、
改めて憤りを感じます」と怒りをぶつけた。
「今回も、開催や出演を巡る意見の違いで、いき過ぎた分断が生まれる事を心配しています。
私の思う表現の場は、マスゲームではありません。
流れが多様なほどに、より自由で、強固で、風通しの良い場が作れると信じています」とし、
「最後に。凄く、ホワイトに立ちたかった。この数年、そこへ向けて歩んできたと言っても過言では無い。
これ以上ない生の実感と、楽しみを諦めてでも、私は、私の好きな未来に行きたいと思います」
コロナ禍の先の未来を見据えた。涙