シリア北西部のイドリブ県で9月15日、ロシア軍戦闘機が、
ジスル・シュグール市近郊に設置されている国内避難民(IDPs)キャンプ近くと、
トルキスタン・イスラーム党(ETIM)が拠点を設置しているザルズール村近郊の飼料農場、
そしてハマーマ村一帯を爆撃した。
爆撃は、トルコのハタイ県との国境から10キロに満たない地点に対しても行われたという。
イドリブ県とその周辺地域は、「シリアのアル・カーイダ」として知られるシャーム解放機構、
トルコの庇護を受ける国民解放戦線といった反体制派の支配下にあり、
ロシア、トルコ、イランが緊張緩和地帯第1ゾーンに指定している地域。
シリア・ロシア軍とトルコ軍・シャーム解放機構・国民解放戦線が激しい戦闘を繰り広げた末、
2020年にロシアとトルコが停戦合意を交わして以降、長らく大規模な戦闘は確認されていなかった。
だが、ロシア軍は2021年8月19日から爆撃を再開。
23日以降は毎日、同地各所への爆撃を行っている。
シリア人権監視団によると、その数は9月に入って129回に達しているという。
‘@トルコに好き勝手はさせないということだ。
しかし、米軍がアフガニスタン撤退を受けての、ロシアのイドリブ県とその周辺地域への攻撃。
米国は2004年にETIMをテロリスト排除リスト(TEL)に加えていた。
だが2020年11月、ドナルド・トランプ政権はETIMをTELから削除した。
トルキスタン・イスラーム党は、中国新疆ウイグル自治区の分離独立を目指す、
東トルキスタン・イスラーム運動のメンバーや支持者を中心に構成される武装集団。
トルキスタン・イスラーム党は、シャーム解放機構や国民解放戦線、
さらにはその背後にいるトルコと実質的な共闘関係にある。
中国にとっても排除したい、目の敵となる。