政府コロナ分科会の尾身茂会長は28日、記者会見をし、
「今回(第5波)、何故感染が上がったのか、なぜ感染が急激に減少したのか評価をする必要がある」
と述べた。
その上で、現時点で考え得る5つの要素について言及。
(1)一般市民の感染対策強化。
あまりの急激な感染拡大と医療提供体制のひっ迫を目の当たりにした、
人々の間で危機感が醸成されたのではないかと。
(2)人流、特に夜間の滞留人口減少。
繁華街における夜間の滞留人口が、「感染の推移と比較的明確に相関する」ことが分かっている。
尾身会長らも、宣言発出前に比べて5割減とするよう呼び掛けてきたが、
「5割には達しなかったけど、6週間以上、20%~35%くらいの減少。かなり低いレベルに維持された」
と語り、感染状況の改善につながった可能性があると説明。
さらに、ワクチンを接種していない人が「今回こういうところに行くことを避けてくれて、
逆にワクチンを打った人は出掛けた可能性が(ある)。
打っていない人の人流が下がったというデータも一部ある」などと言及。
(3)ワクチン接種率の向上。
「当然関与している」
(4)医療機関・高齢者施設での感染者の減少。
ワクチンの接種により、「高齢者に感染が少なかった。院内感染もかなり努力された。
高齢者の感染が少なくなったということで。今までだらだらと感染者数が下がっていたのが、
それがなくて急に、ということもあった可能性がある」と指摘。
(5)気象の要因。
「前の4つに比べて、こういうこともあるんじゃないか、ということ。
現時点での我々の考えだが、これからさらに色んな分析を加えて、さらにしっかりしたことができるように、
検討を進めていきたい」とした。
さらに、「ここに書いてある5つに加えて、1つ重要な要素は、夏休みがあり、4連休があり、お盆があり、
こういうことで感染拡大する可能性があるという、その感染上昇の要素というものがなくなった。
取れたということがまずあると思う」とも語った。
‘@国民の危機感と危機管理、そして人流対策。これに勝るものはないようだ。
尾身会長の説明の長さにも見て取れる。