毎回若者の投票率の低下が指摘されるが、全世代の投票率が低下しており、
若者の投票率だけクローズアップするのは間違いだ。
しかし、若者に政治に興味を持ってもらうことは命題だ。
今後投票率はますます下がっていく可能性が高い。
衆議院選挙2021の投票率が55.93%と、戦後3番目の低投票率となった。
前回2017年の衆院選(53.68%)は戦後2番目の低さで、今回は2.52ポイント高とほぼ変わらない結果となった。
総務省は2日、衆院選小選挙区での18、19歳の投票率について一部の投票区を抽出調査した結果、
18歳の投票率は51.14%、19歳の投票率は35.04%で、
18歳と19歳の投票率は43.01%で、前回から2.52ポイント高くなった。
有権者全体の投票率55・93%を12・92ポイント下回った。
選挙権年齢を20歳以上から18歳以上へ引き下げた改正公職選挙法の施行から5年を迎えた。
改正直後は20代より高かった10代投票率はその後、急激に低下。
2017年、明るい選挙推進協会が全国の有権者3,150人を対象に、
2018年1月に衆院選後世論調査を実施。
郵送法による世論調査によると、18〜20歳代で大学・大学院卒で、
「投票に行った」割合は62.5%なのに対し、
中学・高校卒は43.9%と、同じ年代で20ポイント近くも差がついている。
これは30〜40歳代になっても同じ傾向だという。
一般的に、非大卒層の方が、雇用が不安定で低所得傾向にある。
本来、政治的な関心を必要としているはずなのだが、政治に参加していない。
30代以下で、今まで選挙に行ったことのない人を対象にした結果、
54%の人が秋に衆院選が行われることを知らなかったとの調査結果もある。
全体を対象にした調査では21%だった。
普段から政治ニュースにあまり関心がないことが浮き彫りとなっている。
現状多くのメディアが、取材対象にしている「若者」の多くが、大学生であり、
残りの約半分である非大卒層がメディアの対象になることはほとんどない。
社会経済的に恵まれた家庭の子どもほど、政治に関心を持ちやすい。
学校の成績が良い、学歴が高いほど、母親の学歴が高いほど政治に関心を持つ傾向にある。
本来なら率先して投票に行くべき筈の層が投票に行っていない。
また、学校風土や家庭環境も大きく関係している。
挙期間中にメディアに取り上げられていた、Z世代の7割近くが「投票したい」と答えている、
との報道に違和感を覚えていたが、結果を見ると違和感は間違っていなかった。
多分、東京都在住の大学生などを対象に調査したのだろう。
いわゆる、子供のころから勝ち組の学生が投票に行っても、今のままで良いということになる。
子供のあらゆるものを学校に頼るのは現実的ではない。
家庭環境が大事だ。
まず、大人が投票に行く。投票に行く時には小さい頃から子供も一緒に行く。
後は、この頃特に顕著になってきている気がするが、反論すると嫌われる。
「何をムキになっているの」と言われてしまう。
だから、反論しない、かしこいおとなの子供が増えている。
特に政治の話はタブー視される傾向にある。
意見と人間性は別なのに、反論しながら認め合うということができない。
無機質で興味を持たない人間が増えてくる。
50代60代の投票率が85%くらいになると、若者世代の投票率も上がる。
大人が行かなければ子供も行かない。