同校で過去にもイジメ事件が。
２４日、愛知県弥富市内の中学校で、中学３年生の伊藤柚輝さん（14）が包丁で刺されて死亡。
同じ学年で別のクラスの男子生徒が殺人未遂の疑いで現行犯逮捕された。
朝8時10分ごろ、教室の外に呼び出しいきなり刺したという。
警察の調べに対し男子生徒（14）は、「私がやったことに間違いありません」と容疑を認めている。
凶器の包丁は、全長約35センチ、刃渡り20センチほどの柳刃包丁のような鋭利なもので、
「事前にネットで購入した」と供述。
10箇所以上を刺し肝臓を貫通するほどだったという情報もある。
男子生徒は「イジメられていた」「被害生徒とのやり取りで嫌な気持ちになることがあった」
と話しているという。
一方、弥富市教育委員会は、２４日の会見で、イジメやトラブルについて、
「学校として思い当たるところはない」と話した。
‘＠学校側がイジメを把握していないというのは、事件が起きた最初の常とう句だ。
コメンテーターなどは、「加害者がイジメられていたと言っているだけで、
相手は死んでいるので分からない」とか、
「ネットで子供が包丁を購入したら私は絶対分かります」と、親が悪いかのような発言をする人。
絶対という自信はどこから来るのか。
イジメは本人がイジメられていると思ったらイジメではないのか。
勿論、どんなことがあっても人を殺害するのは良くないことは当たり前の前提で、
普通に考えれば、人を殺すというのは相当のことが無ければあり得ないことだ。
今のところ被害者の方の話は出てくるが、加害者の方の人間性などの話が出てこない。
逮捕された生徒を知る人は、「真面目そうでおとなしい子だったと思う。
こんなことやるような子とは僕には思えない。おとなしい物の言い方だった」と話す。
背が高く運動神経もよかったようだ。
2人は今は別のクラスだが、中学2年生の時は同じクラスで、小学校も同じだった
小学校時代は同じサッカーチームに所属し汗を流したという。
中学ではサッカー部が無く、伊藤君は野球部、加害者はバレーボール部に所属。
中学は学年で2クラスしかなく、3年生は約50人で、全員が顔見知りの状態。
LINEでのイジメという話も出てきているが、少人数の学校なら教師も把握できそうだが、
今の時代はいろいろと難しいこともあるのだろう。
事件の現場になった市立十四山中学校は、
中学時代、同級生からいじめを受けたのに、学校側が適切な対応を取らなかったためけがをしたとして、
愛知県弥富市の少年（１７）が同級生４人と同市に慰謝料など約２１７０万円の損害賠償を求めて、
名古屋地裁に提訴していた。
訴状によると、少年は０９年４月に弥富市内の中学校に転校後、
給食の配膳をめぐって同級生の１人とトラブルになったのをきっかけに、
４人から筆箱を取り上げられ投げ合う「筆箱回し」の嫌がらせを毎日のように受けるようになった。
学校側にいじめを訴えたが放置し、対応も不適切だったと主張。
判決によると、元生徒は中学3年だった2011年5～9月、同級生から「むかつくから殺す」と脅されたり、
首をつかまれ腹を殴られたりした。修学旅行先で「金を出せ」と言われたこともあった。
判決理由で裁判長は「原告は高校受験を控えた時期に、肉体的苦痛だけでなく、
うつ状態の診断を受けるほどの精神的苦痛を継続的に受けた」と認定。
同級生の母親についても「学校から連絡を受けた後も具体的な注意をせず、漫然と過ごしていた」
と監督義務違反を認めた。
元生徒の母親が11年9月、学校に相談。同級生側が協議に応じなかったため、
同12月に名古屋簡裁に調停を申し立てた。同級生側は出頭せず、生徒側が昨年2月に提訴した。
判決を受け、原告側代理人の弁護士は取材に、
「やむを得ず訴訟になったが、証言など数少ない証拠でいじめが認められたのは意義がある」と語った。
学校側も不適切な対応があったと認めた。
さらに2014年にもいじめの報道があったようだが、詳細は確認できていない。
当時は、いじめの温床となっていた可能性があると推察する。
同様の殺傷事件は、2004年に長崎県佐世保市の小学校で6年女児が、
ネットなどでのやりとりから殺意を抱き、同級生をカッターナイフで刺殺した例や、
19年に愛媛県西条市の中学校で2年男子が人間関係のトラブルから、
同級生を果物ナイフで刺した例などがある。
いつでも誰かに相談できるような体制が重要だ。
「一人で抱え込むな」と、常に発信していくことが大事だ。
学校側は、責任感を持って、目を背けず、真摯に対応しなくてはいけない。
（合掌）
