在来種のハブより体の小さいタイワンハブ。草木に紛れると分かりにくい。
2020年に市町村が捕獲した特定外来生物「タイワンハブ」が、
過去最多の3317匹に上ったことが27日、沖縄県衛生薬務課のまとめで分かった。
捕獲を開始した11年から9年間で約4倍に増えた。
タイワンハブの捕獲数は19年から在来種のハブを上回っており、
専門家は世界自然遺産登録地への侵入や外来種の定着で生態系への影響を指摘。
「地域によっては、在来種から外来種に置き換わる可能性がある」と警鐘を鳴らす。
県によると、中国南部や台湾などを原産とするタイワンハブは、
1970~90年代に「ハブとマングースの決闘ショー」で県内へ持ち込まれた。
その後、個体の脱走や遺棄などで野生化した可能性が高い。
タイワンハブの毒の強さはハブと比較しておよそ1.1倍とハブよりも強いが、
体が小さく毒の総量が少ないため、咬傷による被害はハブよりも小さい場合が多い。
死亡例はないという。