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高1「現代の国語」 “物議”の教科書が採択数トップに。

文部科学省は8日、2022年度に全国の高校1年生が使う教科書の採択結果を公表。

必修科目だった「国語総合」(4単位)が、「現代の国語」(2単位)と「言語文化」(2単位)に分けられる。

実用的な国語力の養成を目的とする新科目「現代の国語」では、文科省の意向を酌んで、

多くの教科書会社が小説の掲載を見送る中、芥川龍之介の「羅生門」など、

5点の小説を載せて物議を醸した「第一学習社」(広島市西区)の教科書が、

19万6493冊(シェア16・9%)と、採択数でトップとなった。



第一学習社の教科書は、5点の小説は読むための素材ではなく、

「書く力を高めるための教材」と位置づけている。

第一学習社が躍進した採択結果に、他の教科書会社は戸惑いを隠さない。

現場のニーズがあることを知りながら、多くの社が小説の掲載を見送ったのは、

文科省が「『現代の国語』で小説を扱う余地はない」と説明してきたからだ。

その意を酌んだために損をする格好となり、「文科省への信頼は失われた」といった厳しい声が上がる。

文科相の諮問機関「教科用図書検定調査審議会」の小委員会は、

「今後は小説を扱うことについて、より一層厳正な審査を行う」と、強固な見解を示した。

小説を載せた教科書を新たに検定に出しても、合格のハードルはさらに上がる。

「現代の国語」の次回の教科書検定は2024年度。

しかし、既に合格している第一学習社は、小説が載った教科書を、

約10年後の学習指導要領の改定まで発行できる。

ライバル社の編集者は「第一学習社の独り勝ちが続く可能性があり、不公平としか言いようがない」と憤る。

今回の採択結果は、文科省の思惑と高校現場のニーズの乖離を表したものだ。

文科省は「採択理由までは調査していないので、小説掲載の影響があったかどうかは分からない」。



‘@「現代の国語」の教科書では、「求人票」や「説明書」、法令文など“実用的”とされるものをテキストに採用。

古典や小説、詩歌などは「言語文化」の教科書に収められることになり

文科省は『現代の国語』の教科書に小説が入ることは、基本的に想定していない。

実用的な言葉が使えない生徒が増えているから何とかしなければならないといわれているが、

実用文を沢山読ませればできるようになるものではない。

多様な小説を読むことによって、表現力や幅広い考え方が生まれる。

それによって、読み取る能力が身に付く。

論理的思考を国語教育に取り入れるために、論理的とは言い難い事態が進行している。

国語の中に、目に見える多様なものを求めようとし過ぎるため、文科省も右往左往しているようだ。