農業の現場で、レーザーで害虫を撃ち落とす技術開発が進められている。
日本の農業と食品産業の研究開発を行う農研機構が、害虫の飛行位置を予測する方法を開発。
同機構は、幼虫が食害被害を起こすハスモンヨトウ(ガの一種)の成虫(体長 約15~20mm)が飛ぶ様子を、
2台のカメラを平行にならべた撮影装置で立体的に計測。
さらに、検出した位置にそのままレーザーを照射してもタイムラグがあるため命中しないことから、
飛行パターンを分析し、リアルタイムの画像から0.03秒先のガの位置を予測することに成功。
将来的には移動型ロボットやドローンなどにレーザー装置を搭載し、
それらが圃場を巡回して害虫を狙撃していくというシステムを想定しており、
農薬散布に費やす労力を削減することができる。
仮にレーザーが人に当たった場合、体に当たっても大丈夫だが、目に入った場合は危険になることもある。
しかし.ビームは虫に当たるので、基本的には後方へレーザービームはいかない。
.飛んでいる虫を狙って下から上に狙撃するので、基本その空間に人間はいない。
4カメラで人間を認識し、近くにいる場合は狙撃しないなどの方法で、
まず人に当たることはなく安全だという。
レーザー装置のコストも現在のところ数万円台と見込んでおり、農家への導入も容易だと考えているが、
他の害虫を狙撃するには、新たな解析が必要となる。
農産物輸出時の相手国に適合した残留農薬基準をクリアしやすくなることや、
農業従事者への農薬暴露の問題回避、有機栽培の後押しなどにつながると考えられる。