ドイツは31日、メルケル前首相の計画通り、原子力発電所3か所の運転を停止する。
これにより、ドイツの原子力発電能力はこれまでの半分となり、発電量は約4ギガワット減少。
これは風車1000基による発電量に相当する。
2011年の福島第1原子力発電所事故後の反対運動を受け、メルケル前首相は脱原発を決めた。
22年末までに、残る原発3か所を閉鎖して原子力発電を完全に廃止する計画だ。
だが欧州全土で電力が高騰する中、最悪のタイミングになるとの見方もある。
ドイツ国内でも、原発に対する世論は軟化しつつある。
フランスをはじめ、原子力推進の立場を維持している他の欧州連合(EU)加盟諸国は、
原子力が投資対象となるよう、EUが定める持続可能なエネルギー源のリストに追加するよう要請している。
だが政府は、メルケル前首相の計画を継続する方針だ。
連立政権の一端を担う緑の党(Greens)のロベルト・ハベック共同代表は、
原子力エネルギーの再導入を訴える政治家がいるならば、
同時に「自分の選挙区に放射性廃棄物を保管したいと言わなければならない」と指摘。
「誰かがそう言うなら、この件を再検討する」と述べ、原発閉鎖を擁護した。