――人間は死を恐れますが、どのように向き合っていけばいいと思いますか。
東京大学・小林武彦教授。
小林:人間には知性があります。また社会性のある生き物なので、他の動物以上に死を恐れます。
自分が死んだら周りの人が悲しむだろうなという想像力もあります。
ただ、死は100%きます。それをどうやって理性的に受け止めればいいのかっていうと、
やっぱり頭で分かっていても、受け入れるのは非常に難しいと思います。
“老年的超越”という概念があります。
例えば85歳とか90歳とか、そのぐらいまで年齢が達すると気持ちが楽になるっていうか、
幸福感に満たされる。若いときには、どんな幸せそうなことをやっても、
なかなか幸福感に満たされることはない。
でも、これがだんだん年をとってきて、ある程度いろんなことを達成してきて、
多くの失敗を反省しつくすと、だんだん幸福感に満たされてくると。
それがある意味、老化の意味かなと思います。
‘@そう感じられる人はどれくらいいるのだろう。
幸福感に満たされながら死んでいく人はどれくらいいるのだろう。
小林教授の述べる老化は精神論の理想的な老化の気がする。
身体機能の衰退(老化)は、今のところ誰にも止めることは出来ない。
死を恐れない一つの方法は、あの世(極楽浄土)があるということを信じ込むことだ。
もう一つは生まれ変わる(輪廻転生)を信じること。
南無。