エチオピア北部、「地獄」の様相。
空爆で民間人108人死亡。
世界保健機関(WHO)は12日、紛争が続くエチオピア北部ティグレ州について、
「地獄」の様相を呈していると指摘。
封鎖措置により人々の救命に必要な医薬品などの物資が届かずし、「人道に対する侮辱」だと批判した。
同州出身のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、
「ティグレのような地獄は世界中のどこにもない」と断じた。
「21世紀のこの時代に、政府が1年以上も自国民に食料や薬など生存に必要な物資を与えないというのは、
あまりに恐ろしく、想像を絶することだ」と非難した。
国連(UN)は14日、エチオピア北部ティグレ州で年明け以降相次ぐ空爆により、
民間人少なくとも108人が死亡したと発表。
国連は、ティグレ州で食料支援活動が停止寸前に追い込まれていることから、
同州に人道危機が差し迫っていると警鐘を鳴らした。
国連のアントニオ・グテレス事務総長はツイッターへの投稿で、
全当事者に向け「あらゆる戦闘をやめてほしい。
必要としているすべての人々が、可能な限り迅速に人道支援を受け取れるようにしなければならない。
話し合いを始め、和解に向かう時だ」と訴えた。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、エチオピア当局に民間人の保護を求め、
非軍事施設を標的にした過度の攻撃は戦争犯罪に当たる可能性があると指摘。
同事務所のリズ・スロッセル報道官はスイス・ジュネーブで報道陣に対し、
空爆は「エチオピア空軍が実行したとみられる」との見方を示し、
デデビットにある国内避難民のキャンプを標的にした7日の空爆では少なくとも56人が死亡。
後に病院で死亡した3人を含む30人が負傷したと述べた。
WHOは同国の他の地域には医薬品の供給が許されているが、
同州には昨年7月以来一切届けることができていないと説明。
同州で最近、連日のように無人機による空爆が行われ、死者が出ていと指摘。
同国では2020年11月、アビー・アハメド首相を支持する勢力と、
「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」などの反政府勢力の間で紛争が勃発。
以来、数千人が死亡し、数百万人が家を追われている。
同州では数百万人に医薬品や食料が届かず、数十万人が飢饉に近い状態にあり、
国連はこれを事実上の封鎖と呼んでいる。
‘@何もできない虚しさだけが鬱積する。
(合掌)