J.P.モルガンのコモディティ調査部の試算によると、今年いっぱいロシアからの石油の供給混乱が続けば、
ブレント価格は年末までに1バレルあたり185ドルまで上昇する可能性があると示唆。
そうなると日本の貿易赤字は対名目GDP比4─4.5%程度まで拡大、
ドル/円は125円程度まで上昇する可能性がある。
日本は液化天然ガス(LNG)の輸入の合計額は輸入全体の16%を占める。
これに加えて、日本の輸入全体の3%を占める石炭の先物価格も2月下旬以降、2倍以上に急騰している。
このままロシア・ウクライナの混沌とした状況が続くと、
我々の生活に対する影響は、これからさらに強く出てくることになる。
日本の貿易構造は2013年ごろから、日本企業の対外直接投資が急増し、
それがアベノミクス下での円安進行を支えていたが、
その結果、日本からの電子機器の輸出は減少する一方、アジアや欧州からの電子機器の輸入が増加。
欧州からの化学製品などの輸入が増えた。
以降の日本の貿易収支の原油価格に対する反応は、それ依然と比べて2倍程度にまで高まっている。
原油価格が120ドル程度で日本の貿易赤字はGDP比2%(約10兆円の赤字)、
原油価格150ドル程度で対名目GDP比3%(約15兆円)まで拡大する可能性がある。
現状、ロシア産原油の約7割は買い手が見つかっていない状態にあると見られている。