性交渉の強要を含むハラスメントを受けたとして、早稲田大学の男子学生(25)が3月25日、
指導教員だった同大政治経済学術院の女性准教授と大学を相手取り、
計750万円の損害賠償をもとめる訴訟を東京地裁に起こした。
提訴後の記者会見で、男子学生は「ほかに道はなかった。
ハラスメント防止委員会や第三者委員会の調査はあまりにアンフェアで正義ではない」
と提訴に踏み切った理由を話した。
原告代理人の尾崎行正弁護士らによると、男子学生は2014年、早稲田大政治経済学部に入学し、
2018年に大学院修士課程、2021年から博士過程に進学した。
原告側は、准教授が2017年2月ごろから、男子学生を恋人のように扱いはじめて、
同年3月、台湾出張に同行させて、性行為を強要したと主張。
ほかにも、海外の学会に同行した際に宿泊した同じ部屋、准教授の自宅、
大学の研究室でも性行為をおこなわせたとしている。
このような関係は、2018年夏まで続いたという。
当初20歳で、性経験のなかったという男子学生は、
既婚者で子どももいる准教授との行為に罪悪感があったが、
指導教員であることから断れなかったと説明。
男子学生はこの関係に苦しみ、自殺も考えたそうだ。
男子学生が2021年3月、大学のハラスメント防止委員会に申し立てたところ、
7月になって「ハラスメント等の違法行為はなかった」とする調査結果が出されたという。
博士後期課程の指導教員だった野口晴子教授の援助もあって、大学に再度の調査を要請し、
翌月には大学のコンプライアンス保持のための第三者委員会が設置された。
しかし、こちらの調査でも今年3月、准教授による「ハラスメント行為はなかった」と結論づけたという。