ウクライナ国防省は3月28日、
ヨーロッパで活動するFSB(ロシア連邦保安庁)所属のスパイ620人のリストを公開。
そのリストは氏名だけでなく、生年月日や出生地、FSBの採用年月日や経歴、
住所や電話番号、Eメールアドレス、旅券番号や所有車のナンバーまで記載されていた。
加えて「酒癖が悪く交通違反が多い」などと、それぞれの“特徴“も書き込まれていた。
FSBは、旧ソ連時代のKGB(国家保安委員会)の流れをくむ組織。
ロシア国内の防諜活動に従事していたが、プーチンが長官を務めた1998年から権限を拡大。
世界中にスパイ網を張り巡らせているロシア最大の諜報機関。
リストの入手ルートはウクライナのハッキングか。
しかし、もっともガードが堅いはずの諜報機関の内部情報が公開されたこと自体ロシアの赤っ恥であり、
今後の諜報活動にも影響が出る上に、もっと重要な機密をウクライナは掴んでいる可能性がある。
ロシアは軍備も思ったより脆弱だったがFSBも脆弱だったことが露呈した。
本来、サイバー攻撃を仕掛けるべきFSBが、逆にハッキングされてしまった。
プーチンが怒るのも無理はない。
そもそも、自国のスパイのリストを分かるようにまとめていること自体あり得ない。
すでに各国でマークされている人物もいるが、ノーマークだった人物も相当数いそうだ。
ロシアのスパイは、大使館員として勤務していることもあるが、それも照合できる。
ロシアの大使館員自体がスパイのようなものだが、各国に赴任するロシアの外交官は、
自身がスパイであることはもちろん秘密にしている。
また、諜報員らは周りにもスパイであることは隠していて、家族にさえ黙っている。
こんなものが公開されたらすべてがバレてしまう。
スパイは、赴任した国で必ず協力者をつくり、コマを持っている。
しかし電話番号やメールの履歴で、協力者があぶり出される。
何代にもわたって築き上げた協力者もマークされて、役に立たなくなる。
これはロシアにとって非常に大きな痛手となる。
このところ、各国でロシアのスパイが国外退去になっている。
すでにベルギー、オランダ、アイルランドでは、スパイ活動をしたとして、
一部のロシア外交官を国外追放にしているが、さらに拍車がかかるのは必至だ。
ロシアは経済も含め、手足捥ぎ取られる状態になっている。