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​ベラルーシ「秘密組織」がロシア軍を撤退に追い込んだ。

ロシアのキーウ陥落を阻止したのは、

ウクライナ軍の激しい抵抗とロシア軍の戦略ミスだと分析されている。


しかしロシアを屈辱的な撤退に追い込んだ理由はそれだけではない。

ロシア軍が最初にベラルーシ国境を越えてウクライナに流れ込んだとき、

首都キーウへの電撃攻撃を想定して、この地域の広範な鉄道網に物資供給と増援を頼るつもりだった。

だが事はそう簡単には運ばなかった。



2月の侵攻当初から、鉄道員ハッカー、元治安部隊で構成される秘密組織が、

ロシアとウクライナを結ぶベラルーシの鉄道網を麻痺させ、ロシアの補給線に大打撃を与えていた。

秘密組織の破壊工作員たちもロシア軍の補給線の混乱に拍車をかける役割を果たした。

ロシア兵は侵攻からわずか数日で、食料や燃料、弾薬が底をついたまま前線に取り残されたのだ。

その秘密組織のメンバーらによると、攻撃は単純でありながら効果的なもので、

鉄道の機能に不可欠な信号制御盤を狙ったのだという。

列車の運行は何日間も麻痺し、ロシア軍は陸路での補給を余儀なくされた。

結果、全長約65キロにわたるロシアの軍用車列がキーウ北部で足止めを食らったのだ。



この混乱のどれだけが秘密組織の妨害工作によるもので、

どれだけがロシア側のお粗末な補給計画によるものなのかはわからない。

英国王立防衛安全保障研究所(ロンドン)のエミリー・フェリスは言う。

「ロシア軍が鉄道をあてにしていたことを考えると、妨害工作があの混乱に一役買ったのは否めません。

ロシア軍の侵攻を遅らせ、ウクライナの領土にさらに押し入ろうとするところを止めたのです」

妨害工作は、ウクライナ軍がロシアの侵攻に対して効果的な編成を組むための時間稼ぎにもなった。

ベラルーシ人活動家で秘密組織のメンバーの1人であるユーリー・ラヴァヴォイは言う。

「私たちが最も重要な役割を果たしたとは言いませんが、

壁を作る大事なレンガのひとつだったことは間違いありません」



今回の妨害工作に関与したベラルーシ人たちは、

その攻撃が誰によってどのように行われたかについて詳細を明かそうとしない。

秘密組織メンバーの身の安全を守るためだという。