ロシアでは、ツイッターやフェイスブックなどSNSのほか、
外国メディアのウェブサイトも見られなくなっている。
ロシア国内で通信に対して検閲が行われ、特定のサイトへのアクセス制限が行われている。
そんな中、市民の間では通信を暗号化して検閲を回避する「VPN」と呼ばれるサービスを利用して、
インターネットにつなぐ動きが広がっている。
暗号化された回線は機密性が高いとされ、
外部から社内のシステムにつなぐリモート接続などで使われているほか、
世界では、政府などよるインターネットの検閲を回避する目的でも利用されてきた。
このうち、日本の筑波大学が無償で提供しているサービスは、
先月以降、ロシアの利用者数が急激に増え、
先月は、2月までの平均の8倍にあたる120万人以上の利用があった。
筑波大学の登大遊客員教授が2013年から学術実験として開発したサービスで、
ソフトは誰でも無料で使うことができる。
特にスマートフォンで利用しているケースが目立つということで、
「職業的に使われているというよりも、普通の市民が、日常生活や経済活動、
学問などのために外国のページにアクセスする際に使っていると思われる」と、登客員教授は分析。
ロシア政府はことし3月に法律を改正し、ロシア軍の活動について、信頼できる報道を装い、
うその情報を拡散した場合、罰金、最大で禁錮15年を科すとした。
公共の場所でのデモをはじめ抗議の声を上げるのが一層難しくなっている。
残念ながら、いまのところ、プーチンの手法は効果が出ている。
だが、VPNなどのサービスを利用してアクセスする人は、世界の情報と触れ事実を知りたい人たちだ。
ロシア国内で増加することを願うが、その人たちは、
政府がVPNにアクセスできないようさらに規制を強めるのではないかと懸念している。