ロシアのマラト・フスヌリン副首相は18日、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所について、
同原発が発電する電気の代金をロシアに支払わなければ、ウクライナの送電線網から切り離すと述べ、
事実上接収する可能性を示唆。
欧州最大の同原発は、2月に開始されたロシアのウクライナ侵攻によりロシア軍が掌握していた。
ロシアの通信社によると、副首相は現地を視察した際、
「もしウクライナのエネルギー業界が電気を受け取り、
その代金を支払う用意があるなら、(原発は)ウクライナのために稼働するだろう。
そうでないなら、ロシアのために稼働することになる」と述べた。
副首相は「われわれは原子力発電所を稼働させた経験が豊富であり、
こうした経験を持つ企業もロシア国内に複数ある」と指摘。
ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトムは19日、
ザポリージャ原発がウクライナの送電線網に電力を供給し続けていると述べた。
ロシア侵攻前の2021年には、同原発はウクライナで発電された年間の電力の5分の1を、
同国全体の原発による電力の半分近くをそれぞれ占めていた。