誹謗(ひぼう)中傷対策を目的に侮辱罪の法定刑を引き上げることなどを盛り込んだ改正刑法が、
13日、参院本会議で可決、成立した。
侮辱罪の改正部分は今夏に施行される見通し。
国会審議の過程で、厳罰化により表現の自由が制約されるのではないかとの懸念が示されたため、
施行から3年後に有識者を交えた検証を行うことを明記。
侮辱罪は、公然と人の社会的評価を害した場合に適用され、
改正前の法定刑は「拘留(30日未満)または科料(1万円未満)」と刑法で最も軽かった。
プロレスラーの木村花さん(当時22歳)が2020年、
出演していた番組での発言を巡ってSNSで中傷され、急死したことをきっかけに法改正の議論が本格化していた。
成立した改正法は、侮辱罪の法定刑に「1年以下の懲役もしくは禁錮」と「30万円以下の罰金」を加え、
これに伴い公訴時効が1年から3年に延びた。
時効が延びたことで、悪質な書き込みなどをした投稿者を特定する捜査が可能な期間も長くなり、
厳罰化に加えて誹謗中傷への抑止効果が期待できるとしているが、
煽り運転も減っているようには見えない。