円安進めば「家計の負担増」
日銀は17日の金融政策決定会合で、現行の大規模な金融緩和政策を維持すると決めた。
米欧の中央銀行が利上げに動く中、低金利を維持する。
ただし自己擁護もたくさん用意した。
「為替が経済や物価にさまざまな影響を与えることは事実」
決定内容の公表文でも為替の急変を「リスク要因」とみなす文言を盛り込んだ。
国会答弁などで繰り返していた「円安は経済全体にはプラス」との言葉は封印。
‘@景気の下支えを優先した判断というが、下支えになるのか。
米国も、インフレで消費マインドが低下し、慌てて金利を上げた。
消費が低迷すれば経済にさらなる打撃を与えることになる。
海外金利の上昇で日本の長期金利に上昇圧力が掛かる中、
黒田総裁は10年物国債金利を引き続き許容上限の0.25%で抑制する姿勢を明確にした。
イールドカーブ・コントロール(YCC)の運営継続に自信を見せた。
しかし、10年金利が許容上限を上回ることも目立ち始めている。
市場は、10年国債利回りの上限を死守することがいつまで継続できるのか。
黒田総裁のターゲット設定が、皮肉にも市場に明確な攻撃対象を示すこととなっている。
いくつかの「ひずみ」は、末期症状の様相を呈していることに気付いていない。
その負は、残されたものに降りかかってくる。