この2週間、原油相場は大きく下落した。
下落の主な要因は、インフレを抑制すべく、複数の中央銀行が大幅な利上げを決定したことを受け、
世界の景気動向が不安定化する懸念が生じ、それに伴い、原油需要が減少する観測が浮上。
米国のほか、英国、EUも利上げの姿勢を鮮明にした。
利上げによって、企業や個人が資金を調達しにくくなり、景気が後退することが意識された。
インフレは国民に打撃を与え、各国首脳の支持率も低下。
インフレが鎮静化すれば、国民が抱える不満は解消され支持を集めやすい状況になる。
西側のリーダーたちにとって、インフレ鎮静化は喫緊の課題。
今後も西側では、原油価格を下落させるべく、各施策が繰り出され、利上げムードが続くことが予想される。
ロシアにとって原油相場の下落は、デメリットが大きくなる。
獲得できる戦費や産油輸出国での発言力が低下。
敵対する西側の経済回復が進むことを、許す結果となる。
ロシア革命を主導したレーニンは、「資本主義を破壊する最善の策は、通貨を堕落させること」と語った。
資本主義を是とする西側を攻撃するのに効果的な方法は『インフレ』と、レーニンが唱えた。
実際に今、西側経済はとてつもないダメージを受けている。
リーダーたちの支持率は低下し、政情が不安定化している。
およそ100年前のレーニンの説をプーチンが実践し、現実のものになっている。
プーチンのやっていることは狂気だが、狂っている分けではない。
余計厄介だ。