「エレキソルト」対応カスプーンを2023年発売へ。
キリンホールディングスは9月7日、
電気の力で塩味や旨味を増すことができる技術「エレキソルト」を搭載するスプーンとお椀を発表。
明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 宮下芳明研究室と共同で開発したもので、
減塩食など塩味を抑えた料理であっても最大1.5倍程度塩味が強く感じられるようになるという。
キリンが開発した「エレキソルト」という技術を採用したカトラリーは、
内蔵のバッテリーにより通電しながら食事を摂取することで、塩味や旨味が増すように感じられる。
食品に含まれる塩味のもととなっているナトリウムイオンの動きを、
特殊な波形で出力する電流によってコントロールすることで、舌で感じられる塩味・旨味が強調されるとしている。
スプーンは汁物をはじめ幅広い食事に、お椀は主に汁物にそれぞれ使える
明治大学の宮下教授によると、塩味のある食品内にはナトリウムイオンが散在しており、
口に含んで舌を通過するときに、そのごく一部だけが味として知覚できるのだという。
つまり、知覚できずに単に通過してしまう味が大部分を占めており、
「エレキソルト」はそうした通過してしまうような塩味・旨味も集約して知覚できるように働くとのこと。
研究開発中のプロトタイプでは、同様の技術を用いた箸を利用し、
一般食より30%塩分を抑えたサンプル食品を使ったテストで、
約1.5倍強い塩味が感じられたとする結果が得られたという。
健康上の理由から減塩食を摂らざるを得ない人、
あるいは健康のために減塩食を進んで摂取している人にとっては、
食事中の塩分を一切増やすことなく満足度の高い食生活を実現できる手段となる。
試食に使った「エレキソルト」のスプーンは柄の先に乾電池を取り付ける形になっているが、
市販化時は柄の中にバッテリーを内蔵する予定。
1日3食使った場合で約1カ月ほど動作するとしている。
微弱とはいえ電流が流れることなどから子供の利用は想定されておらず、使用できるのは成人のみとしている。
研究開発中に使用していた箸タイプのものは、装着の手間の問題などから、市販化は予定していないという。
‘@これが一般的に普通に使えるようになれば素晴らしいことだ。