毎日新聞
警察庁キャリア出身の亀井静香元運輸相(85)。
自民党衆院議員として福田派(清和会)に所属していた亀井さんは、
安倍氏が父晋太郎氏の秘書だった青年時代から知っている。
彼を「晋三」と呼び、自身が離党した後も気にかけてきたという。
銃撃事件について語り始めた亀井さんの声はいつになく小さかった。
「確信犯から身を守るのは至難の業だ。警察の力ではなかなか防げない。
晋三を狙っている男がいるという情報がなかったわけだから」
警察庁警備局で極左過激派をマークし、協力者を通じて情報収集する「裏公安のキャップ」を務めた経験からしても、
組織に属さぬ一匹オオカミ「ローンウルフ」の動向をつかむのは容易でないと解説。
警察が宗教団体を摘発した事例としては、1995年の地下鉄サリン事件などオウム真理教一連の事件捜査がよく引き合いに出される。
当時を振り返りながら亀井さんは「オウム事件でも逮捕できたのはやられた後だよ。
警察が全知全能なら抑えられた。サティアンでサリンを製造しているのではないかと。これは神業だ。
今回の事件でいえば、被害者と容疑者は間接的関係だったんだよ」
旧統一教会のせいで家庭を壊され、人生をめちゃくちゃにされたと恨んでいる人物が、
教団と深い関わりがあると見て安倍氏を標的にしたとすれば、容疑者と安倍氏に直接的な「接点」がなかったことになる。
‘@警察、公安経験者の亀井氏がわたしと同様の見方を示した。
政治家の警護などで過度に騒ぎ過ぎだ。直ぐに収まったが。