山梨の工事が「静岡の水」に影響する?
10月31日県庁で開かれた県地質構造・水資源専門部会は,
「静岡県内の湧水に影響が出ないよう、山梨県内の掘削工事をどこで止めるのか」という議論を強く求めた。
小林 一哉 : 「静岡経済新聞」編集長。
「山梨県駅と神奈川県駅の間の部分開業」「2027年開業ができないのは神奈川県の責任」などの、
無責任な川勝発言同様に、リニア問題でさらなる混乱を引き起こすのが狙いのようだが、
もともとは「水1滴も県外流出は許可しない」「静岡県の湧水は静岡県のもの」という川勝知事の、
無理筋の主張を踏まえたものだ。
今回の問題も、大井川下流域の水環境への影響とはまったく無関係であり、
不毛な議論となることは明らかである。これまでの議論と同様にムダな時間を費やす可能性が高く、
国土交通省は強い姿勢で静岡県を指導すべきである。
国交省は大井川下流域の水環境問題がすでに解決していることを住民らにわかりやすく説明する場を設け、
「命の水」の真実を伝えてほしい。
県知事の言い分。
静岡県知事「掘削工事をすると大井川の水位が下がるおそれがある。調査してほしい」
JR東海「水が出るかもしれないが、それが大井川の水位と必ずしも結びつかない」
静岡県知事「それを調べるのが調査ではないのか。どれくらい影響があるのか把握してほしい」
静岡県知事「せめて発生した水を大井川に戻す工夫をしてほしい」
JR東海「水が大量に出たときに考えたい。とりあえず工事を始めたい」
静岡県知事「それでは県民に説明ができない」
JR東海「これは国策である。静岡県だけ反対するのか」
静岡県知事「単に大井川への影響を調査し、もし水が出たら戻してほしいとだけお願いしている。
説明責任を果たしてほしい」
JR東海「説明する必要はない。これは国策である。静岡県のせいで着工が遅れることになる」
静岡県知事「一度もまともな回答をもらえていない。静岡県としては県民に損になることを認めることはできない。
せめてまともな回答をしてほしい」