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​“親ロシア”広がるアフリカ 背景。

欧米を中心に、ロシアへの圧力を強める国際社会。

ことしに入って、国連総会で「ロシアを非難する内容の決議案の採決」が3回行われた。

いずれの決議案も賛成多数で採決されているが、棄権している半数近くがアフリカの国。



「すべての南アフリカ国民が黒人か白人かを問わず、いかなる恐怖も抱かずに胸をはって歩ける。

人間の尊厳が保障された『虹の国』をつくると約束する」

マンデラ氏がこう演説した1994年。南アフリカではアパルトヘイト=人種隔離政策が撤廃され、民主化を達成した。

マンデラ氏が率いた与党「ANC=アフリカ民族会議」はその後も欧米と協調しながら、開かれた国造りを進めてきた。

しかし、ロシアのウクライナ侵略以降、南アフリカが国連総会でのロシアを非難する決議案の採決では、

一貫して「棄権」している。



南アフリカ政府は、ウクライナの現状には「憂慮している」とする一方、

棄権の理由について「決議案が建設的な結果をもたらさないおそれがある」などと説明。

冷戦時代のソビエトは、アメリカに対抗するためアフリカの内戦などで左派勢力に肩入れ。

南アフリカでは、反アパルトヘイト闘争を担ったANCを支援。

このため、一貫して政権の座にある与党ANCの指導層の間で、ロシアに恩義があるとの考えが根強いとされている。

一方、ロシアのオリガルヒの一人で「プーチンのシェフ」と呼ばれるエフゲニー・ヴィクトロヴィッチ・プリゴジン は、

プーチンに重用されている人物で、アフリカ、シリア、ウクライナでの戦争犯罪で告発されている、



ロシア支援の傭兵組織「ワグナー・グループ」の創設者。

プリゴジンは2018年、特にマダガスカル中央アフリカ共和国からワーグナー・グループの100人から200人の、

政治顧問と傭兵を通じて多額の利益を得ていた。

中央アフリカ共和国のロバイエ県南西部とバンギ西部では、プリゴジンの関連会社であるロバイエ・インベストメントが、

2018年初頭からダイヤモンド、金、その他の鉱物の採掘業を始めた。

プリゴジンはアフリカで巨額の富を得、存在感を増している。

2019年4月15日、プーチンはロバイエ・インベストメントの利益を支援するため、

国連使命の一環として30人のロシア兵を派遣。

2020年12月18日から、重火器装備の数百人のロシア兵がルワンダからの部隊のバンギへの攻撃を支援。

2012年から2021年5月にかけて、推定2,000人のロシア人傭兵が中央アフリカ共和国で戦闘に就いたという。



2020年3月にプリゴジンが、打倒されたリビアの指導者カダフィ大佐の息子であるサイフ・カダフィを、

2019年の大統領選に当選を画策、財政支援したことが明るみに出た。

ロシアとアフリカは強いつながりがある。

一方、“ロシア寄り”と指摘される外交方針をめぐっては、反発の声も上がっている。

ANC政権への不満から、ことし4月には、一部の州の分離独立を求めるデモも行われた。