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​日本電産、通期営業益一転減益に。

永守会長「今期中に負の遺産処分」

24日、日本電産は2023年3月期の連結営業利益(国際会計基準)を、

前年比35.4%減の1100億円へ下方修正すると発表。

従来予想は同23.3%増の2100億円。

欧州の車載事業関連を中心に構造改革費用を計上、一転して減益予想とした。

固定費を削減し、来期の業績回復につなげるとしている。

アナリストら20人による予想平均値は2052億円で、市場予測を大きく下回った。

永守重信会長兼CEOは会見で「財務諸表上の負の遺産を今期中に全部始末する」と説明。



第3・四半期で7.2%(実力ベース)だった営業利益率を20%まで改善するような固定費構造にすると強調。

構造改革を実施するのは、主に欧州の車載事業。

グローバル自動車生産台数の回復の遅れなど事業環境が悪化しているほか、

EV関連製品が中国での新型コロナ禍の行動規制による生産減速の影響を受けた。

これまでシェア獲得のため価格にこだわらず売上成長を重視してきたが、収益の改善と早期の黒字化へと舵を切る。

車載事業を担当する早船一弥常務は、値上げと収益性の高い次世代製品の投入で、

23年の単年黒字化に自信を見せた。

永守会長は決算について「決算の内容はびっくりされたと思う。

前経営陣は好き放題の経営をやって負の遺産を作って去った。いろんなゴミを全部今期中にきれいにする。

今期の売上高予想は2兆2000億円。売り上げそのものに懸念があるわけではない。成長は力強く続く。

買収も引き続き続く。創業50周年にあたって、さらに高い収益で成長できるよう経営していく」と述べ、

​全ての責任は前経営陣と断じた。


    関潤元社長と永守会長

 
日本電産は2021年4月22日、2022年3月期連結業績(国際会計基準)で、
 
売上高が前期比5・1%増の1兆7000億円、営業利益で同12・5%増の1800億円と、
 
ともに過去最高となる見通しを発表した。
 
戦略事業と位置付ける車載分野が、電気自動車(EV)用モーターを中心に好調。


「産業用ロボットや家電向けも強い」
(永守会長)などと述べていた。

その上で、さっそくゴミをきれいにするために、ダイヤモンド社などを相手取り、

損害賠償と謝罪広告の掲載などを求めて東京地裁に提訴したと発表。

週刊ダイヤモンドは2022年9月~23年1月、永守会長兼CEOが自らに服従しない役員を次々と解任し、

関潤前社長の退任後に外部人材が流出しているなどと報道。

これに対し、日本電産は「確たる証拠がないまま、当社の名誉を毀損しており、到底容認することができない」としている。

日本電産は22年10月、自己株式の取得を巡る不適切な処理の疑いを報道した東洋経済新報社に対しても、

損害賠償と謝罪広告などを求める訴訟を東京地裁に起こしている。