千葉県は7日、同県野田市にある江崎グリコの子会社のアイス製造工場で、
排水から基準値超えの窒素やリンを計97回検出したのに、基準値内に収まるようデータを書き換える不正があったと発表。
県は同日、子会社の「グリコマニュファクチャリングジャパン」への立ち入り検査を始めた。
同社は県庁で記者会見し「水質測定の担当者が改善に向けた指示を受けると業務量が増大すると懸念して、
データを書き換えた」と弁明。
また、「アイスの実」の生産開始に伴い、浄化設備の目詰まりが起こりやすくなり処理前の水が流れ出て基準値を超えたとしている。
総量規制でも窒素とリンが計24回基準を超過。超過時には事務所などでアラームが鳴るが、特段の対応はしていなかった。
改ざんは超過時以外も行われ、窒素は57回、リンは28回あったほか「化学的酸素要求量(COD)」のデータも12回書き換えられた。
県によると、排水は東京湾につながる江戸川支流に流れ出ていたが、周辺水質に異常はなかったとしている。
同工場は原料に窒素やリンが含まれるアイスクリームを製造。製造時に発生する水を処理し、
東京湾につながる河川に排出している。大量に排出すると、東京湾で植物プランクトンなどが著しく増殖し、
赤潮などを引き起こす可能性があるという。
水質汚濁防止法で濃度の排水基準と一日あたりの総量規制がかけられ、測定結果の記録、保存が義務づけられている。
同社の白石浩荘社長は県の説明後に会見「県民にご迷惑をおかけし申し訳ない。再発防止策を何重も打っていく」と謝罪。