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十代の子たちの不幸は「スマートホン」

アメリカで広まっている十代の不幸について,興味を引く議論が続いている。

発端は,疾病対策予防センター (CDC) の調査報告だ。

これによると,アメリカの高校生たちのあいだで,哀しみや無力感が増えてきている。

十代の自殺者も増えているし、不安や鬱の症状も増えてい。

2012年~2013年ごろから,事態が悪化しはじめている。

エリック・レヴィッツの指摘によると,アメリカでの暮らしはいまの方がずっとよくなっている。

十代の自殺件数がいまよりずっと少なかった時期よりもいまの方が物質的な基準でみた暮らしはよくなっている。

それどころか,豊かだから十代の子たちがかつてほどしあわせでなくなっているように見える。

Rudolf & Bethmann の新しい論文によると,豊かな国々ほど大人たちはよりしあわせである傾向があるものの、

思春期の子供たちは生活の満足度は低くなる傾向がある。



あからさまな説明要因があると思う.疑惑追及の出発点にすべき候補はスマートホン。

スマートフォンこそを最有力候補にすべき理由の1点目は、タイミングが見事に合っていることだ。

スマートフォンという発明は2007年に登場した。でも,広く普及し始めたのは2010年代になってからだ。

ちょうど十代の子たちの幸福度が崖から滑り落ちるように下がった時期と重なっている。

社会的に孤立すると幸福度は下がる。研究結果もこれを強く支持している。

新型コロナウイルスパンデミックにともなう社会的孤立の結果は、明らかにマイナスだった。

スマホみたいにみんなのつながりを広める機械がどうして社会的孤立をもたらすのか。

パンデミックの自然実験で立証されたように、物理的なやりとりは重要だ。テキストはすごく薄められた媒体だ。

生きて呼吸している肉体が物理的にそこにいるという体験はスマホでは実現できない。

何十億年もかけて進化をかさねて慣れ親しんでいる体験のかわりにはならない。

たしかに,スマートフォンそのものが,みんなに対面での人付き合いをやめさせるわけじゃない。




でも,そういう人付き合いをスマートフォンが減らす理由はいくつかある。

第一に,スマホは注意をそらす。

そばにいる人たちに注意を払わずに手元のスマートフォンにばかり気をとられる人が増えた。

第二に,スマートフォンは行動への「ナッジ」をもたらす。

ジャンクフードが山盛りになったカゴがあればついついお菓子を食べ過ぎてしまうのと同じように、

スマートフォンがポケットにあれば、出かけて人付き合いするかわりに、くだらないテキストを友達に送る方がかんたんだ。

誰かと出かけた方がずっと満足度は大きいとしても、ついついかんたんな方に流れてしまう。

第三に,対面でのやりとりにはネットワーク効果がある。

人々の 20% がスマートフォンとにらめっこしていたら、誰もが対面での人付き合いの選択肢をとる機会を 20% 減らすことになる。



スマートフォンはふしあわせを引き起こす」説を主張している中心人物である心理学者のジーン・トウェンギ氏は、

こう指摘した。

リチャード・ハナニア氏が研究文献について検討をしている。

十代の子たちの不幸度が上がっている背後にあるのはスマートフォンだとわかったとしても、

それだけでは,スマートフォンが全面的に悪しきテクノロジーだとは言えない。

どんなテクノロジーにも、なんらかのコストがついてまわるものだ。

善の手は、社会が適応するのをただ待つことかもしれない。

これまでにも,新テクノロジーによってつくりだされた世界で繁栄するために、

自分たちの社会・文化・制度を変えるめざましい能力を人間は発揮してきた。

いずれスマートフォンソーシャルメディアにも適応できるはずだとぼくは思ってる。

Twitter は,ヒーローたちが国の命運をかけて戦う戦場なんかじゃない、

たんに,みんながお互いに怒号をぶつけあったりウソをしこたまついたりする馬鹿げた部屋でしかない。

Instagram で「映え」てみせたり、TikTok でバズらなくても、すてきな人間になったり友達をつくったりできる。

たぶん,Z世代はそのうちこういう真実を認識して、ミレニアル世代がついに達成できなかったゴキゲンなスマホ離れを歓迎するんじゃないかな。

子どもたちはこれまでもずっと大丈夫だったし、きっとまた大丈夫になれるとぼくは思ってる。

いくらか時間はかかるとしてもね。

(一般社団法人経済学101)抜粋。



‘@多様性の社会が若者を混乱させている。

地域コミュニティーから世界に拡散されるSNSなどの実態が理解できないでいる。

目の前に友人がいるのにスマホをいじっている。

公園で遊ぶ子供たちも公園で集まってスマホで遊んでいる。

なんでも言えてしまう危険性を孕むSNS

だが、多くの人はルールを守っている。

守らない人はスマホが無くても何らかの形で守れないのかも知れない。

禁止区域に平気で入る大人たち。

スマホが無くては成り立たない世界が構築されつつある。

新型コロナウイルスの影響による、女性や若者の自殺が増えている。

日本の自殺者は圧倒的に男性が多いが、2020年の新型コロナ禍、自殺者は女性や若者が増加した。

ロナ禍前の5年間(15~19年)の平均人数と、21年を比べると全体では784人(3・7%)減ったが、

年代別で見ると、「19歳以下」と「20代」では増加。

特に女性の19歳以下では、133・2人(69・8%)増え、20代も289・8人(47・4%)と顕著に増加。

男性は19歳以下で35・4人(9・1%)、20代で78・6人(4・9%)増えた。

小中高校生の自殺者数も20年に過去最多の499人。21年も473人と過去2番目の水準となった。

芸能人でも人に会えない寂しさから亡くなった方もいる。

やはり、脈々と受け継がれてきた直接会うコミュニケーションは、今の人間にとって重要だ。

そういう時くらいスマホの存在を忘れるのも一考だ。